それはあこがれを載せて今日も走る

夏アニメ「リコリス・リコイル」と「エンゲージ・キス」が同日(?)に終わった。

どちらも毎回毎回を楽しみに、視聴中は他にはなにも巻げずに済み、十二分に楽しめた。

 

第一の感想で。

リコリス・リコイル」の登場人物たちの関係性に憧れて楽しめた。

「エンゲージ・キス」は、けっこう前の自分だったら主人公たちの関係性に憧れただろう、と思えて楽しめた。

 

たとえば。

 

ロードス島戦記」が楽しかった、パーンと仲間たちの冒険に憧れた、よりも「リプレイ」でのやりとりに憧れた。私にとってはリプレイあってこそのロードス島だった。

ついでに、今浅く記憶をさらうと、最初に物語世界に憧れたのは「エイリアン通り」だ。主人公(異論を許さない)の翼は英語を話せない小さい女の子だった。それこそ自分と変わりがない。自分のつま先の延長線上に「エイリアン通り」が「ある」のかもしれない。

そう思える。とにかく当時の憧れが過積載に積み込まれたマンガだった。両親が転勤でアメリカに行ける環境がカッコよかった。シャールとジェラールの関係、それをそばで見る翼の視線は、自分の視線だった。思い出は美化されるのが常とはいえ、それを差し引いても「エイリアン通り」に私は夢中だった。のちに、知人にこの話をしたら、翼が憎かったと答えられたのは笑った。あまりに憧れて、翼の位置に自分が居たいから、翼が憎かった、とのこと。それもすごいな。とはいえ、読めば翼に憧れるよね。

 

リコリス・リコイル」はその世界、というか、千束の世間に憧れた。銃弾をよけきる才能、DA登録当初からファーストだったこと(子供用ファーストなんて千束以前も以後も必要ないだろうに)、細かくは愛用の銃があることとか。あと、たきなに溺愛されてるところも。

 

そうとう以前であれば「エンゲージ・キス」のシュウに憧れただろうし、ヒロインたちとの関係性にも憧れただろうと想像できる。特に最終回の大団円のところとか。あと「エンゲージ・キス」の最終回でもOP/EDが通常通りなのすごいです。こうあってほしい。

 

この2つのアニメをみて、そういう気持ちでした。

今月の百木田家と全員プレゼントとモデルグラフィックスと。

今月も「百木田家の古書暮らし」が読めました。そろそろ2巻でしょうか。

先月から急転直下の超展開を見せながらも、相変わらずお父さんが全部知ってるのに全然やる気出さない展開が、二実ちゃんの心労を忍ばせます。たまに帰国して何をしでかすかな、このおやじは……。

この急転の雰囲気は「幻影博覧会」を連想させます。連作ミステリでありながら、終始不穏な雰囲気で、最後にものすんごい終わり方をした「幻影博覧会」。「百木田家」も、この一冊の本をめぐる物語が、超展開を見せるのではないかと、毎回毎回どきどきです。「のんびり群像デイブック」とはいったい……。

 

そんな中、1巻の全員プレゼントの栞が到着。やったね。いくつあってもええですからね。ハル、丹、二実のビジネスジャンプヒロインズの栞です。

「百木田家」は愛されてほしい。いつの日か時間が過ぎて、ヤケた単行本を読み返したいような気分です。

 

そして、今月から連載再開の旧車GIRLSは表紙ですよ! 2021/3号の50回特集もよかったのですが、表紙なのがすばらしい。青のケンメリGT-Rは実在しませんが、CMではこの色だったような気がします(調べない)。

いやー、ケンメリですよ、ケンメリ。暴走族でしょっちゅう見たケンメリですよ。乗ってた人が、ミッションが甘くて走ってると抜けたみたいな笑い話を聞かせてくれたのが思い出深いです(真偽は不明)。GT-Rは走る不動産になってしまいましたが、プラモデルなら安心価格。

ケンメリGT-Rの生産台数ばかりが話題になりがちですが、セブンスGTS-R(以下省略)

 

www.kaiga.co.jp

 

そんな8月でした。

メガドライブミニ2雑想。

メガドライブミニ2の全収録ソフトが発表されました。よくよく見ると、メガドライブミニ2で、メガドライブ2ミニじゃないのね。

 

sega.jp

 

メガドライブミニの収録ゲームは「メガドラといえば、アクションかゲーセンからの移植の激ムズゲームやろ!」って感じだったのですが、今回はメガCDのゲームが収録されるためか「メガドラだって家庭用ゲーム機だったんすわ」って雰囲気に。

私としては「ソーサリアン」「ぽっぷるメイル」がまた遊べるのがうれしいですな。とりわけ「ソーサリアン」。これがナイコン族でも遊べるのがどれほどうれしかったか。パソコンサンデーで毎週、毎週「ザナドゥ」ともども名前だけ出てくるゲームだったような気がします。戦国ソーサリアンとかピラミッドソーサリアンとか。TAKERUが黒歴史なわけないだろ!

 

拡大縮小機能つきメガドライブだったらの「スペハリII」もイカス。なんつーか、メガドライブ発売と同時に「スペハリII」「スーパーサンダーブレード」が出たんですが、いきなり機能の限界を見せられたような気になったものです。無茶が過ぎる。スプライトの拡大縮小はメガドライブ発売当時ではかなり先端機能だったように思います。ゲーセンでシステムIIの「アサルト」「オーダイン」に目を奪われました。メガドライブでも「ガンスター」は拡大縮小はやってたような記憶がありますが、なにかのトリックなのかもしれないです。いや、とにかく「ガンスター」はほんまスゴイので……。

 

2019年発売のメガドライブミニのゲームですら、まだぜんぜんクリアしおえてないのに(コラムスばっかりやってるから)、ゲームが追加されて、しかも今回は全体的に長時間のゲームが多い目。ゲームセンターCXみたいに1日でクリア! みたいなゲームって格ゲーくらいかな? 「コラムス」のクリアってなんだ。外回りの最中に、100円で半日つぶせたらクリアなのか。

 

アドバンスド大戦略」については各自でどうにかするように。

「タイムリミット・ガールズトーク」がおもしろかったよ

コミックゼノン8月号掲載の「タイムリミット・ガールズトーク」が、好きな要素過積載でとにかく面白かったんっすわ。ツイッターとか検索してもなんも引っかからんのが不思議で仕方がない。

 

comic-zenon.com

 

いつの日か掲載されるだろうから、上掲アドレスを監視しておけ。

 

あらすじ。

八重樫朝子(29)はなんとしても30前に正社員就職したいと今日もハローワーク詣でにいそしむ。ある日、偶然に隣のブースで「上司を殴ってやめたんすわ」と聞こえてきたので、ちょっと隣を覗いてみると、そこにいたのは、高校の同級生種子島芽依で、向こうは一目で、八重樫じゃーん、と間を詰めてくる。

再就職のタイムリミットがある中で、ふたりの休日がはじまる──。

 

ふたりが無職の時間を楽しんでいるのが、微妙な距離感だったり、女性ならではのやるせない雰囲気であったり、再就職の動機とか、いろいろ気持ちの間合いが、読んでて、こっちの気持ちがぐらぐらします。大人だから、就職で蓋をした気持ちがあるからとか、八重樫さんの気持ちが恐る恐る近寄って行ったり、慌てて間を開けたりと、ぐらぐらしてるのが、このジャンルのマンガを読む醍醐味を十分に味わえます。

相対する種子島さん。高校時代に八重樫さんとは対極に位置していたのだけれど、それも今となっては、もう他人の気持ちで、あの時の思い出話をつらつら語るシーンが「こういう人」には自分事のように読める(少なくとも私にはそう)ので、胸がつまりますな。

そのふたりで迎えるラストシーンが、これ! って声が出るほど満額回答だったので、もう夢中で読み終えられました。

 

なんとかすればコミックゼノンごと読めるはずだから、なんとかして読め。これには、それだけの価値がある。

「ヒーラーガール」かんそうぶん

「ヒーラーガール」が終わった。徹底した日常系の中に、歌を取り込んだ、ミュージカルのアニメだった。毎週見ると癒される感覚が、とても楽しかった。まさに見る薬でした。なにより、1話からオープニング、エンディングが揃っているのは、すごいことですよ。すごい!

 

healer-girl.jp

 

第3話冒頭の掃除をしながら歌うシーン、第5話での岩山に向かうシーン、第10話の買い物シーンなど、日常と歌とを合わせているのが楽しかった。医療行為として真剣に歌っているのとは別に、ただただ楽しそうに歌っているシーンもあって、その楽しさが印象的でした。たぶん、見る薬の部分ってここ。

物語は最後にむかって静かに進んでいって、最後にサメ。サメかー。歌から受けるイメージは自由なのも、楽しさのひとつ。その最後に、3人が師匠と同じた経験をして終わるのは胸にグッときましたな。同席した医者の一言もヒーラーへの敬意が感じられて、世界にヒーラーがいるのだな、と感じられました。

日常系、なんだけど「ヒーラーのいる日常」の日常系。生活に歌がある世界なんだな、と、ミュージカルアニメ、と思って身構えなくてよかったのが、とりわけ新鮮でした。

 

なんというか、3Hzに期待するアクションシーンってこういうのだよなー、と思うんよ。オープニングでいうと、ソニアとしのぶが走る(?)カットで、動きの速度が全然違うふたりが並んでるのが面白かったり。ソニアが頑張って走っているのに、全然速くないの。しのぶは飛んでるみたいなので、そこはズル。とにかく、絵と音があってるだけで、見てて楽しくなるなぁ。

 

素人ながら。

主人公たちが「なびき」のある服を着ているので、彼女たちの動きにあわせて、その服が動いているのに気づくと、1回見て、あそこのなびききれいだったなー、とそこだけ見返したりしてました。井上俊之さよならの朝に約束の花をかざろう」原画集の足にまとわりつくスカートの動きを思い出しました。体が先で、服が後。でも動きは服のほうが大きいとか。丁寧さが楽しめました。

原画ひとり回があったりして、こういう制作側の挑戦とか中の人の話を読めたりしないもんですかね。歌唱担当のヒーラーガール、役者さんのインタビューはけっこう目にしたんですが。

 

www.youtube.com

 

記憶に残ったシーンがいくつかあるので、これから先に、辛いときとかに見返すアニメが増えたのがなによりうれしいことです。すなわち見る薬。

映画「ハケンアニメ!」かんそうぶん。

映画「ハケンアニメ!」を見たよ! めちゃくちゃ面白かったし、原作信者も救われるここちよい映画でした。

 

haken-anime.jp

 

舞台はアニメ業界。

過去に一発当てて、次は途中で降板した伝説の監督と、その監督を目指してアニメ業界に転職してきて、ついに初監督とおもったら、その監督の復帰作の裏番組(どっちが裏で、表なのかも大問題)にあたった監督の七転八倒の日々。

 

最終的に嫌な人がいなくなる、見終わるとすーっとする映画でした。アニメ業界が舞台なのですが、物語はとてもわかりやすく、それはとにかく時代に沿ったわかりやすさと、時代に依存しないわかりやすさとがあったからでしょう。

アニメ、とあらかじめ距離をとってから見始めた人でも、大丈夫。私はこのわかりやすさは大好きです。

 

あと、奇麗な評価としてはこれ以上はなかなかないでしょう。確かに代表作と言える映画でした。

bunshun.jp

 

原作が大好きです。原作は三部作と言ってよく、今回の映画化された、逃げた監督の話、新人監督の話。それに続いて、地方で勤めるアニメーターの話があります。この第三部が1冊の半分くらいのページ数。原作の感想としては、この第3部の地方で暮らす、監督のような栄光がない、それでも「アニメ制作」の本体であるアニメーターの話が、メインだと思うのです。作中作である新作アニメに合わせて聖地巡礼の企画を立てる自治体の公務員と、そのアニメーターのじりじりとした恋の話が、読んでいると優しい気持ちにさせてくれます。

映画では、ここを切り捨ててるのではなく、どうしようもなかった、と思えるようなちりばめ方をされています。

わかる、わかるんだよ、ここをメインに持ってくるわけにはいかんよな~。映画では、冒頭で無理やり雑誌表紙原画を書かされたり、聖地巡礼のスタンプラリー企画の設置場所をふたりでまわったりとか。原作にあるエピソードがちょっとづつさしこまれてます。多分、これ、映画だけ見た人だと、本筋じゃないと思って不思議に感じるんじゃないかな、と思えるくらい、ちょっとづつさしこまれる。

連載雑誌の「anan」読者想定(?)だと、この第3部の物語が、身近に感じられて、本編なんだと勘繰るんですが、どうでしょうか。あと、最後の話だけに、アベンジャーズみたいに、これまでの仲間たちが助けに来てくれたりと。これは続編の「レジェンドアニメ!」と合わせて読むと、一層胸が熱くなります。

 

以下ぼんやりとしたネタバレを含みます。

映画のラストシーン。

吉岡里帆演じる斎藤瞳が自宅を片付けている場面。「サウンドバック」と書かれた段ボール箱があふれる中、「バタフライ」と書かれた箱が見えます。これは原作では重要な作品なのですが、映画中では出てこない名称なんですよ。ラストシーンで、やわらかい気分のところに、これが来るので原作信者としては、涙が止まりませんでした。

わかっていてこうなった。

制作者からのそういうメッセージだと都合よく解釈しておきます。

 

 

当時。

出版記念サイン会で掲載誌の毎回のページを切り取ったスクラップブックを見せるほどの熱意はなかったけれど、似合いもせず毎回毎回「anan」を読んでいたモノとして、この映画は時間を経ただけ、心の中のややこしい位置に置いてしまったのを、手の届く位置に置きなおしてくれるような、透き通った物語に作り替えてくれた、もうひとつの「ハケンアニメ!」として、十二分に楽しめました。また、終映早そう、と初日に見に行った自分の料簡を反省します。でも、雑誌掲載時の挿絵集は出版してほしいです。なんで今ださんかね。

五月の「百木田家の古書暮らし」はシン・ウルトラマン

「百木田家の古書暮らし」ですが、今月も2話読めました。よかったよかった。

第10話、11話は特撮回でした。10話の扉からして。そしてなにより1話からの伏線がついに火を噴く回なのだ! そして急に早口になるオタク!

つづく11話で特撮回は決着を見る。天晴れ! 

 

この2話なんですが、それぞれで読んで面白いのですが、通して読み返すと、ほんとめちゃくちゃ面白いです。テーマは愛です。そして、その中で並行していくつもの物語進んでゆくわけですが。それは本筋ともゆう。

 

そして急に見つかるのである。

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