鮫が空を飛ぶだなんて今ならあるあるに感じる「飛翔鮫」

「飛翔鮫」が出たよ! 買え!

 

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「飛翔鮫」。今プレイすると、記憶よりむつかしく感じる。弾幕シューに比べるとはるかに少ない弾数なのに、なぜミスをするのかと考える。まず敵弾の速度が非人道的だな。とはいえ彩京弾ほどではない。

 

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スーパーイージーはさくっとノーミス(ノーボムとは言っていない)でクリア。楽しい。ボムを取るとバキバキ敵弾スピードが上がるのウケる。スーパーイージーでもちゃんとパターン組み立てが必要な作りがエムツーらしい。スーパーイージーは作っても、無敵モードは絶対に作らない。ちなみにカプコンは無敵モードを100円で売ってます。巻き戻しがあるので無敵は……。いや、「バース」にはほしいかな……。「ギガウィング2」はまだですかね。

 

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思い返すに、難易度で記憶に残っているのではなく、当時はビデオゲームが新しい遊びで、それよりなにより100円で最新のコンピュータを操作できるのが楽しかった。ファミコンは楽しいのだけれど、ゲーセンに比べるとやっぱりグラフィックは残念で、ゲーセンから移植されると、稀にゲーム性が変わってより楽しくなったりもしたけどさ~。「タイガーヘリ」で、もう結構ファミコンではいっぱいいっぱいだったしなぁ。その前の「ジャイロダイン」はファミコンでも結構楽しかった。結局のところ、ファミコンは比べられないようにRPGに特化していってしまうのであった。

 

それはともかく「飛翔鮫」は今でも楽しく、当時と同じく下手なままで、スーパーイージーに接待していただいて満足して遊べる。1周5面で終わるのもちょうどいいんすよ。もう1周が長いゲームは集中力が続かないこちらの事情。「究極タイガー」でもう長すぎた。「鮫!鮫!鮫!」も今回は1周できたけど、めちゃくちゃ長く感じた。「ドラゴンスピリット」が好きなんだけど、あんまりプレイしないのは長いからなんですよね~(誰向け情報なんだ)。

「飛翔鮫」のアーケードをプレイして、腹が立ったらスーパーイージーに癒されて、移植バージョンを遊んだり、併録の「ワードナの森」をちょっとやってみてふたたび怒りゲージをため込んだり。無敵モードいるじゃん。「ワードナ」巻き戻しほしい……。そうそう「ワードナの森」を遊ぶと「地獄めぐり」を遊びたくなりませんかね? 私はなりますが。

 

あと、エムツーのショットリシリーズは毎回毎回教えられるばかりです。パターンとか、プレイ方針とか。当時はそこまでゲームを理解できなかったなぁ。画面端に追い込まれてミスなら端に行かない、敵に近づくと弾を封じられるとか、まったく考えもしなかったです。弾幕シューと違って、ここには嘘避けはないのだ。「飛翔鮫」だったっけか、アタリ判定が自機グラフィック+1ドットのくっそ広いのって。どうだろう。ミスの原因第一が自機の移動の遅さです。弾幕シューは自機速度が速いんだな。

 

次回作には「ダッシュ野郎」が収録されるのを楽しみにして結びといたします。

冬目景「百木田家の古書暮らし」1巻がでたよ

冬目景「百木田家の古書暮らし」第1巻が発売されました。連載開始からこれまで休載は単行本作業のための1回だけ!

 

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内容は……すでに単行本がみなさまの手元にありますので、そちらに譲ります。なんと今回は応募者全員にあたるプレゼント企画が! 掲載誌表紙も飾り、巻頭カラー、センターカラーとカラーページも多数掲載されましたからなー。

とにかく、この本は顔がいいんですよ。

カバーの紙がよい。名前を知らないのが悔やまれる。PP紙ではなく、わずかにおうとつの手触りのある紙です。光沢紙でもないため、明るい場所で見てもカバーイラストがしっかり読めます。カバー袖には、蔵書印と書店票がデザインされているのも見逃せません。本体の表紙も独特の赤。そこにタイトルのみのデザイン。カバー下もかっこいい。目次も袖に。なので見返しなしで、表紙の次が総扉となるんですよ、もう本文。装丁かっこよすぎませんか。装丁担当はまるか工房。一切情報なし! 「新しいコミックスのデザイン」での取材が期待されます。1点、どうしようもないのが裏表紙のバーコード。こればっかりは講談社コミックスでもないとどうしようもないですね。シュリンクにバーコードをつけている講談社はえらい。記憶では、このバーコードが最初につけられた本が二階堂黎人「地獄の奇術師」だったはず。この本の裏表紙はバーコード部分を考慮した装丁画になっています。

 

と、ビブリオフィリアっぽい喜びを満たせる書籍ですので、ぜひお手元に。内容はもちろん折り紙つきです。

「ワルキューレの伝説」の伝説

アケアカで遂に「ワルキューレの伝説」が発売されました。配信?

 

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サムネの画像が最高。さっそく購入して、音楽を楽しみにながら遊んでます。

 

当時は、ついに、やっと、金髪のワルキューレのゲームが発売されたと喜んだ記憶があります。相当遠いゲームセンターのコンソレット26でプレイしてました。せっかくならあたらしい筐体で遊びたかったからですね。コンソレットならヘッドホン端子がありますし。

ワルキューレの伝説」といえば、PCM音源でしょう。PCM音源の力と魅力をこれでもか! といきなり見せつけてきたゲームでした。音楽聞きたさにプレイして、なるべく聞きたいからコンティニューしてたような気がします。

 

あと、スプライトの回転拡大縮小が好きなので、タイトル画面から「namco」のロゴが遠くから回転しながら大きくなってくる「おお、いかにもシステムIIっぽい、無駄な使い方だ!」感じがとても好きです。ゲーム中でも「巨大化の魔法」で表示が大きくなったり、4面ではそれに弾き飛ばされて移動するシーンでステージ全景が見えたりと、全編拡大縮小バッキバキでそれを見るのも楽しみでした。

サウンドトラックCDがけっこう早めに発売され、価格も1500円だったのも記憶に残っています。これでずっと聞ける! すごい! 地下のテーマ大好き! とゲーセンに行けないときは音楽を聴いていました。そして、このあと1500円CDはシリーズ化されてゆくのでした。

 

のちには当然のように基板を買いました。システムIIのステレオ出力用コネクタがシステムIと異なって、エッジコネクタ用のハーネスを用意しないとコンソレットがシステム出力にならなかったんですよね。私が基板を買ったときはまだこのエッジコネクタを買えたので、自作してステレオ化できました。なぜにシステム87のように基板にコネクタをつけなかったんでしょうかね。ハード設計の情報はほとんど出てこないので、謎です。

 

システムIIについては以下を参照。みんなで勉強しよう。

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システムIIはこれが初、かと思い返したら「未来忍者」が先行でした。「スーパーリアル麻雀PIII」とからめていじられがち「未来忍者」(特定の層)。Switchで出てますね「スーパーリアル麻雀」。

 

次回は「ギャプラス」。めちゃくちゃむつかしくって、ナムコミュージアムが発売されるまで、まったくやりこまなかったなぁ。

3月の「百木田家の古書暮らし」かんそうぶん。

3月も「百木田家の古書暮らし」が読めたぞー。しかも、4月には第1巻がでるぞー。すごいなぁ。速いと心配になるのが訓練された冬目ファンです。

物語の展開は三者三様。最後は自宅のお茶の間で過ごして、ゆっくりとした雰囲気を作っていますが、三姉妹それぞれの物語は隠されたままでした。いやさ、そうでもないんだけど。

今回の驚きは、ラストでの土神建築事務所、とのセリフです。「マホロミ」じゃん! 土神くんは登場するのでしょうか。

そして、次回は表紙と巻頭カラーですよ。カラー多いですね。単行本殺しです。

 

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今週の一気読み 今井哲也「ぼくらのよあけ」

今週の一気読みは、今井哲也「ぼくらのよあけ」でした。劇場版公開情報公表にあわせて、24時間限定で全2巻公開されていたのです。コミックDAYSは突然24時間全話無料を始めるの考えなおしてもらえませんかな。「シグルイ」全話24時間無理でしょ。人の心がない。

とにかく、めっちゃくちゃ面白かった。簡単にジュブナイルと言ってしまっていいけれど、ファーストコンタクトであったり、子供たちは夜の住人であったり、おとなとこどもとか、子供たちが私より未来に走ってゆくよとか、いろいろ。

 

comic-days.com

 

bokuranoyoake.com

 

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natalie.mu

 

舞台はもうちょっと未来。広域無線ネットワークと学校のネットワークが貧弱でなくて、デバイスを子供でも使えて、なによりAIと自然言語でやりとりができるくらいに生活に普及した、ちょっと未来。主人公は小学4年生。昔は言えたいろいろが、なんだか言えなくなってきたこの頃から始まる、特別な夏休み。

かー、どっちが好きですかね。夏休みが終わると一緒に終わる物語と、夏休みが終わると始まる物語。

主人公たちは小学生なので、いろいろなにもかもとにかく、ままならない。とにかく何でも「バーカ!」と言わないと話始められない男の子、お姉ちゃんとすれ違いっぱなしの男の子、大人に、大人であることをはやくにもとめられた男の子。

男の子だけで秘密で楽しい遊びをしてたはずが、次第に広がってゆく。水面の波紋のように広がっていって、伝わってゆく。秘密だって言ったろバーカ! 

という話でした。

近未来を舞台としたSFを読むと「技術的にいちばんむつかしいのって、空中ディスプレイだよなぁ」とか思います。

あと、連載時の2011年時点でLINEがこんなに普及、生活基盤に食い込んでるって想像してないよな~、とか。それは今だと違和感全くないシーンなんですが、連載当時はどうだったんでしょうかね。ネットが大人の知らない、子供達だけの戦場になってしまった今だけに、つくづくそう思います。掲示板ではなくて、個人アカウントと発言が紐づけられて、その発言ツリーができて、チャンネルに入れる、入れないでグループが可視化されてゆく。女の子側だけそういう社会の物語があって、本筋と並行して進むのだけれど、それはそっちでよろしくたのむわ、みたいな扱いなのが印象的でした。

 

私の意見としては、AIは人より賢くないと作る意味がないです。なにはともあれ、この場合の「人」ってどのあたりを指すんでしょうかね。将棋ソフトの思考ルーチンって、もう圧倒的大多数の将棋指しより強いですよね。それはまだ人を越えていない扱いなんでしょうか。疲れない、飽きない、感情的にならないAIは人智をさくっと越えてゆくでしょう。これを感情的に批判する人は多そうですが。

と、物語の最後のページを見て、そう思うのです。

今週の一気読み 今井哲也「ハックス!」

今井哲也ハックス!」を一気読みしました。全4巻。4巻だけちょっと厚い。それは熱量。

 

友人に教えてもらったこの漫画。私の中の大切な一部分です。ときおり4巻だけ読み返すのだけれど、ひさしぶりに全巻一気に読み返しました。まだこの漫画から熱を感じられるのであれば、自分は立っていられます。いつの日か、まぶしいとだけ思ったり、若いなーとかおもったり、まともに見られなくなる日が来ると思うのは、悲しいのですが。

物語は、主人公の女の子が高校入学から始まる。新入生歓迎会でのオープニングアニメを見た瞬間に、自分もやってみたい! とアニメを作るために走り出す。あこがれたものに、追いつきたいとすぐに走り出したり、自分もできると信じてみたりする。その行動の熱量がもうね、すごい。読んでるとそわそわする。

 

これが部活、学校内なのが、残酷だ。お仕事モノであるなら、その場を立ち去りプライドを守れる。彼女に焼かれないように距離をとれるだろう。でも、学校だからそれができない。避けられない不幸がどうしても起こる。

4巻は冒頭の過去話から始まり、知らないけれど見ている人がいたり、そしてなにより、自分の行きたい道の先を行く人と出会える。この1冊だけで、ぐわんぐわんと揺さぶられる。

初めてこの漫画を読んだときは、タイトルの意味も拾い損ねたくらい、夢中になった。読み終わって、読み返して、タイトルの意味に気づいたかな、どうだろう。

プライドが邪魔をする。そういう人がいる。本人もわかってない。かもしれない。これについて考えると、自分の中もぐちゃぐちゃになる。自分はどうだろうか、とばかり考えてしまう。楽しいことをやったもん勝ちは絶対に正しい。それをみて「自分だってすぐにできる」と考えてしまう人はとても危ない。

なにもかも、すぐにはそこには行けない。でも、やるのはすぐにできる。できない理由ばっかり用意していないか、と考えてしまう。

 

主人公は次から次へと湧いて出てくる、できない理由をねじ伏せて、助けてくれる仲間に出会う。でも、私はその本筋よりも、主人公には伝わらないけど、影響を受けてやりはじめる、もうひとりの女の子の物語が大好きだ。やってしまうと、ビリヤードの玉のように、かちん、かちんとぶつかって、影響しあってゆくのは避けられないのだ。

いろいろ、どうしようもない時に、読み返したくなる漫画で、好きなところだけ読み返しても十分だし、一気に読むと頭の中に刺さりっぱなしのカセットが入れ替えられるような心地よさがある。

今週の一気読み 深海紺「春とみどり」

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

在原業平

 

深海紺「春とみどり」全3巻を一気読みしました。

 

選択肢が多すぎると、立ち止まったり、もしかして立ち去ったりしませんか。「正解の選択肢」があると信じていませんか。

「春とみどり」を読み始めたころは、Webマンガが多すぎて、まったく読んでいない時期でした。たぶん、そのころは毎日ジャンプ+を読むのですら、やめてたような気がします。

選択肢が多いのは進化の証拠ですが、その発達とともに歩めるのならまだ楽しめますが、初めてそこに行ってみると選択肢があふれていて、また、自分に判断するだけの情報量がないと、どれも選べないまま終わってしまいませんか。とはいえ、ともに歩んできたはずのライトノベル、なろうもいつの間にか選択肢の多さに流されてしまいましたが。選択肢の海で呼吸し続けるのも、こちらの経年劣化で行き先を見失い、流されて、おぼれてしまいますな。ついついアーカイブスやカプコンアーケードスタジアム、ナムコミュージアムを買いがちです。お前は今すぐ「XEXEX」を買え。

その中で「春とみどり」は友人に連載開始を教えられて、それをよすがにおぼれずにたどり着いた印象的なWeb連載マンガです。ここからWebマンガをまたすこしづつ読み始めました。

 

それはともかく。

 

3月だと急に春になったので、読み返した。書棚のいつでも読める位置にさしてある「春とみどり」。

物語は突然の別れと出会いから始まる。春は出会いと別れの季節とはいえ、二度と会えない別れと、二度と会えないはずだった人との再会の錯覚が続く。それは、たぶん、やり直しで、再演で、贖罪で、後悔の傷をいやすための「正しい選択」の錯覚なんだよな~、と読み返しながら、思い返していました。

今日の別れが最後になるだなんて誰も想像しない。そんなことばかり考えていたら、気持ちが焼き切れてしまう。明日も今日と同じ。そう信じて考えなくて済ませないと、不安で立っていられない。

でも、一度でもそんな別れを知ってしまうと、臆病になってしまう。

そういうふたりの物語です。やり直しなんかじゃない、後悔から自分を救うために選んでいない。そういう春で終わるので、読み終わると素直に泣けるのです。

あ、でも、地元にいたくないよなー、とは強烈に共感しますが。残るのも後にするのも、同じくらい勇気のいる行動ですよ、はい。

 

で、作者の深海先生の同人誌が販売中ですので絶対買え。装丁から最高なので、手にする価値がある1冊です。これを読んだのも、動機のひとつ。いつだって、なにだって、次につながってゆくのです。「六の宮の姫君」のように。

 

fukaiumi.booth.pm