それでも! 「地球外少年少女」かんそうぶん
「地球外少年少女」を見終えた。想像よりはるかにガチンと固いSFで楽しかった。
舞台はちょっと未来の世界の宇宙。ちょっととはどれくらいか。120年くらい未来かな。それまでSNS、youtube、配信文化はあるのか。
ちょっと先の未来だと、いろんな物語でそれぞれの世界があるのだけれど、遠い未来の物語だと世界が似てくるな、というのが視聴直後の感想。あんまりにも遠未来だとまたそれぞれ枝分けれしてゆくのだけれど。
無重力と有重力が入れ替わるので、その瞬間の細かい動きが見どころの一つでしょうか。「ガンダムユニコーン」の1話で、バナージが女の子を救った後、コロニーに着陸するシーンが好きなんですよね。そりゃそうじゃん、と絵で見てわかる心地よさ。このアニメにも、動きで説明されるとその理由を想像して、理解して、そりゃそうじゃん、と発見する面白さがいろいろありました。
人工知能、AIとか、フレーム問題とか、用語から想像される現在進行形のSFにも想像が届くのも面白い体験でした。AIは無意味な行動をしないのでしょうか。もうずいぶんと囲碁でAlphaGo対人戦が開催されてませんな。AlphaGo同士で対局を続けてると記事を読んだ記憶もありますが。 私の思うAIのすごいところは、飽きもせず、疲れもしないところです。直感は実装されたんだっけか。単に経路の説明できない推論の結果だとかなんとか。直感は人だけのものではないとなると、この作中にあるような、シンギュラリティポイント、引き返し不能点をあっさり過ぎてゆき、人とコミュニケーションが取れなくなるでしょうな。知力差がありすぎて言葉が通じない。
「電脳コイル」はデバイスが社会を戻れないほど変えてしまった後の子供たちだけの大事件。それでも、事件は子供たちの後からやってきた。「地球外少年少女」は、生まれたときから事件が始まっている。それは子供たちの問題ではないよなー。
そういう意味で、市長たち管理者の維持運用のシーンがとりわけ印象的でした。子供を守る大人の姿が印象的なのは、現代性ではそれが珍しくなった悲しさからかもしれませぬ。
この勢いで「プロジェクトぴあの」がアニメ化されませんかね。もしくは「オービタル・クラウド」の映画化とか。叶う未来があるならば、「オービタル・クラウド」の地球を眺めるシーンは動画で見たいものです。
ファムファタール、イクノディクタス
2月7日はイクノディクタスの命日である。
昨年までならまったく興味をひかなかったであろう話題であるが、1年とは長く、そして早く過ぎるものだ。そして私は、競馬について話すのは苦手である。何かと泣いてしまうからだ。
それでもイクノディクタスについてなら少し話せるだろう。
私は「ダービースタリオン全国版」で競馬を学んだ。レースに至るまでの用意周到な準備と計画、それらが放つレース中の一瞬のきらめき。競走馬だけでなく、牧場、調教師、騎手ほかにも大勢の人間がそこにいる。ダビスタから得た知識は多い。
時に93年5月。当時私は大阪にいた。
競馬ブームであった。
オグリキャップの華々しい、作られたかのような引退で競馬ブームが終わるかと思ったのだが、ついでトウカイテイオーが登場、メジロマックイーン、ライスシャワーもまだまだ絶頂期だった。しかし、思い返せば93年はそれらが揃って駆けた唯一の1年でもあった。
当時の私は、名前がかっこいい、その一点でイクノディクタスを推していた(今風に言うなら)。出走するならイクノディクタスを軸に買っていた。まぁ、当たらなかった。
そして迎えた93年5月16日。第43回安田記念。大阪も東京も晴れ。馬場は良。
朝から大阪球場の場外馬券売り場でGI相応に馬券を買うと、友人の待つ草野球場へと向かった。その日は草野球1ゲームを約束していたのだ。
レース中継は、その野球後に大勢で王将で遅い昼飯を食べている最中に、店内のラジオで聞いた。結果はヤマニンゼファーが連覇。いつも通りにレース中にはまったくイクノディクタスの名前は出てこなかったのだが、終盤2着争いがもつれ込んだ中に、彼女の名前が出てきた。記憶なのだが、ラジオ中継では2着イクノディクタスと結構はっきり伝えたような気がする。
なぜなら、そのあとの記憶がないからだ。
結果としては、ソフマップでX68000 XVI HDの中古、メモリボード、MIDIボード、MIDI音源、ミキサ、Cコンパイラを買いそろえられた。ACEから一気にXVIに乗り換え、メモリは限界まで搭載した。
ついでにコンソレット18(残念ながら青)を買い、基板を買った。
それくらい彼女は決定的に私の人生に影響を与えた。
イクノディクタスは続く宝塚記念でもメジロマックイーンに続いて2着。これも取った。ありがたい。追ってよかったとつくづく思った(現金)。
しかし、そこまでだった。思い返すと、最後は今では考えられない連闘だった。その中イクノディクタスは故障なく最後まで走り抜けた。その後は繁殖牝馬となるが、牝馬のため産駒が多くはない。現在のようなサンデーサイレンス、ディープインパクト産駒が多数を占めるような事態は決して起こらない。
今でもレースを見るときは、馬も人も無事を祈る。あんな場面はもう見たくない。
そして私は競馬を通じて、寺山修司を知り、天井桟敷、ATGを知りえた。そして「少女革命ウテナ」と出会い、長く長くつづくそれは「少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト」へといたる道のりである。
「百木田家の古書暮らし」第4話なのです。
「百木田家の古書暮らし」第4話。えっ。連載です。
今回は古書店業について、旧車GIRLS、引き続き長女のコイバナの3本です。
やっと、タイトル煽りの「緩速的群像ブティック」に乗ってきたような回でした。なによりシトロエン2CVピックアップ。たぶんボディカラーは薄緑。そこまで見えました。
なんとなく、居間で3人そろったりしてるシーンが、あこがれを刺激するんですよね、このマンガ。「マホロミ」でも同じ感傷を抱いた者です。本当に理由もないし、なんとなく。東京の話だなー、とも思うんですが。神保町なんで当然なんですが。感傷なので、特にこれ以上言葉にしません、できません。
そう思うと、「緩速的群像ブティック」との作評はとてもとても似合っています。
おまけに次回も掲載されて、その上センターカラーです。ひゃっほう。
「ピストル大名の冒険」をめぐる冒険。
水曜の午後のゲームセンター。
「ピストル大名の冒険」が店からなくなっていることを知った友人が電話で僕にそれを教えてくれた。
アケアカで遂に「ピストル大名の冒険」が配信されたし、ファミ通の裏表紙が「ピストル大名」なのがサイコーに狂っとる。
あれから32年。
— HAMSTER Corporation (@HAMSTER_Corp) 2022年1月27日
本日発売のファミ通さんの裏表紙が「ピストル大名の冒険」で感無量です。
32年後、ファミ通さんの表紙が「ピストル大名の冒険」になることを祈っています。
2054年もそんな平和な世界でありますように…
🟦PS4 https://t.co/gYCrANCPOs
🟥Nintendo Switch https://t.co/OvY7uBFv2J pic.twitter.com/XnZRq89lks
はちゃめちゃ高難易度であっというまに消えてしまったゲームである。プレイした人、遊びこんだ人はどれほどだろうか。その割に名前だけ有名。悪事千里を走る、とでもいえばいいのか。
私はプレイする機会もなく、数年後に基板屋でロムだけ見つけたので、合わせて「ロンパーズ」を買って、やっと遊べたゲームだった。
噂にたがわぬ激ムズ。横スクロールシューティング、謎の挙動、そしてなにより戻り復活! アホか! システムIのゲームは激ムズにしないとだめなルールでもあったんですかね。「妖怪道中記」みたいに。ともかく、これに反省したのか、なにかあったのか、この後のシステムIの「倉庫番」と「タンクフォース」は簡単(相対的)で、また、結構多くのロケーションで見かけた。コピー基板なんかもしれん。システム基板はコピーされやすくないですかね。
とにかく基板を手に入れたのだから、意地でもなんとかクリアはしたい。連コでクリアしてやるぜ! と毎回、毎回意気込むのだけれど、戻り復活が道を阻むし、最終面はコンティニュー不可! アホか! というわけで、クリアした記憶はない。
で、このゲームなんだけど、めちゃくちゃ謎なことに、発売から7年後にパチンコ化されている。
こっちはめちゃくちゃ打ったなぁ。今見ても頭おかしいスペックなんですが、さすがサンキョー。結構な店で導入されてました。基板より売れたんちゃうか。
特筆すべきは特賞中のラウンドデモ。両手を拘束されたお姫様のフンチラ(フンドシチラミセ)、フンドシのみ(マニアックすぎて池波正太郎先生もついていけない)、最後には全裸のお尻をキュウリでスパンキングのもはや謎の世界観が展開される。脱衣シューティングとして名高い「フェリオス」でもここまでやってない。拘束されてる構図はおんなじなんですが。
パチンコとしては、全回転と見せかけてハズレありのリーチアクションもすごい。リーチアクションはだいたいものすごいんですが。あと、とにかく謎に音楽がよい。
というわけで、800円なら納得のゲームなのでオススメです。源平からベラボーマンを経て、なんでこうなったのかみんなで考えよう。
ラジオと
ラジオを聴きながらなにかをできなくなった、と気づいた。
思い返すと、初めての自分のラジオは電子キットで自作した機械だった。それで初めて聞いた某「mamiのRADIかるコミュニケーション」で、私の人生は完全に車線を乗り換えたような気がする。そのあとも、CM聞きたさにラジオをアメリカンしたり(無礼)、青春をアドベンチャーしているうちに、SFを知り、新井素子を知り、「ポーの一族」を知り、いろんな本を読むようになり、これもまた人生の車線を乗り換えた契機となった。
知らないメロディーを教えてくれたり、聞いたことないヒット曲を教えてくれたり、岡村靖幸を教えてくれたのもラジオだった。YMOはテレビで知ったけれど、坂本龍一を知ったのはラジオだったと思う。オールナイトニッポンは当然聞いたし、高井を返せと思ったし、ヤンパラから、夜ドカ、オーデカと聞きづけた。
つまりラジオは最初の「ぼくの、マシン」だった。テレビは家族で楽しむ娯楽だけれど、ラジオは私だけの秘密の娯楽だった。テレビでは楽しめなかった落語もラジオだと楽しかった。思うに「痴楽綴方狂室」はラジオのほうがたのしめたんちゃうか。
初めての自分専用の機械。
ラジオ、ウォークマン、ゲームボーイ、ポケベル、携帯電話、スマホと最初の自分専用の機械は移ろってゆくのだけれど、結局、最後のスマホでラジオを聞いている。
そして、以前なら何かをしながらラジオを聴けたのだけれど、気づいたらラジオを聞くしかできなくなった。
聞きながらなにかをするとラジオがまったくとどかない。いつのまにか、どんなにゲームをやりこんでも音楽をちっとも覚えなくなったのと原因がおんなじに思う。ゲームに集中しすぎて音楽聞いてない。そういえば、ビートマニアって、音楽聞いてるんですかね。音ゲー一般でもいいですが。
これを書き終わったらラジオ聞いて寝ます。あのころからずっと寝落ち。
百木田家の古書暮らし 第3回かんそうぶん。
百木田家の古書暮らし 第3回! ここまで連続で読めてて、次回も読める! すごい!
今回は恋愛回。一果と三稔のそれぞれの物語の回。あれ? 二実は? 二実は客のいない店内でもろ手を挙げて喜ぶ次第。古書暮らしを担当してますな。いろんな話がまじりあって進んでいくのですが、どれもが主流になって、ねじりあってゆく雰囲気が面白いのですよ~。
あと、今回は巻末の「儂に訊くな!」が最高でしたので、みなさん雑誌を読みましょう。
ではまた。
2021年のアニメは「ワンダーエッグ・プライオリティ」が面白かったね
昨年で季節ごとに見たアニメ一覧。
- 2021/冬
無職転生
2期もみた。異世界転生よりも、奥ゆかしいファンタジーとして楽しめた。「ロードス島」を読みたくなる。
ゆるキャン△
原作5巻の年末~正月のエピソードが大好き。なので超満足。
ホリミヤ
やっとのアニメ化。オープニングから大好き。終盤でクロ宮が出てくるあたりが雰囲気が変わって、ホリミヤが終わるんだな、と痛感した。
ワンダーエッグ・プライオリティ
2021年ベストアニメ。素人なのに総作画監督修正集まで買ったくらい好き。未見の人にはまず見ろ、と言いたいくらい好き。なので内容には触れない。
装甲娘戦機
驚きの連続だった。異世界生物との戦いをやたら現実味をもたせて描いてたので、一見女の子アニメなんだけど、見終わると戦争のどうしようもなさが心に残った。 - 2021/春
Vivy
音楽がモチーフなのにアクション巨編。毎回、毎回アクションシーンが息をのむ展開で、毎回、毎回何度も見返すくらい楽しかった。
スーパーカブ
ハードボイルドすぎた。原作を一気に読んだくらい面白かった。とにかく最終話に演出のすべてを集約させたような話運びが印象的だった。これも好きなシーンだけ何度も見返してる。
SSSS.DYNAZENON
グリッドマンのような派手さは鳴りを潜めて、巨大生物が街、毎日、生活を蹂躙するとどうなるか、これもまた戦争の悲惨さを絡めていたように思う。 - 2021/夏
小林さんちのメイドラゴンS
オープニングから明るい色と動きで面白いのがただただすごい。キャラクターのやり取りの面白さ、雰囲気の綱渡りのような明るさが印象的だった。好きなエピソードだけ見返すくらい好き。
白い砂のアクアトープ
2クールの時間をかけて、タイトル英題の通り、ふたりの女の子の物語を丁寧に扱ったアニメでした。「色づく未来」と同様に、とにかくキャラクターデザインがイラストレーターの作風そのままで、アニメーションが見られたのが驚きでした。
かげきしょうじょ!!
アニメ化が報じられたとき、どこまで扱うのかが第一に興味を引いた。原作好きすぎるので……。野島聖……。キャスト、音楽に宝塚を投入する本気さ。第3話のエンディングを見たときの衝撃を忘れない。 - 2021/秋
takt op. Destiny
音楽がモチーフなのにアクション巨編その2。アクションのない回もあり、ロードムービーっぽさもありながら、これまたどうしようもない世界で生きるのがどれほど大変かが、主題だったように思う。とりわけラストがすごかった。
異世界食堂2
安心して見られる、アクションアニメの対極。異世界転生でもなく(逆はあるけれど)。異世界との文化の違いがちろちろ描かれるときに、そうか! と驚きがありました。最終回のケーキカットのシーンとか。
以上です。見よう「ワンダーエッグ・プライオリティ」!