「ピストル大名の冒険」をめぐる冒険。
水曜の午後のゲームセンター。
「ピストル大名の冒険」が店からなくなっていることを知った友人が電話で僕にそれを教えてくれた。
アケアカで遂に「ピストル大名の冒険」が配信されたし、ファミ通の裏表紙が「ピストル大名」なのがサイコーに狂っとる。
あれから32年。
— HAMSTER Corporation (@HAMSTER_Corp) 2022年1月27日
本日発売のファミ通さんの裏表紙が「ピストル大名の冒険」で感無量です。
32年後、ファミ通さんの表紙が「ピストル大名の冒険」になることを祈っています。
2054年もそんな平和な世界でありますように…
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はちゃめちゃ高難易度であっというまに消えてしまったゲームである。プレイした人、遊びこんだ人はどれほどだろうか。その割に名前だけ有名。悪事千里を走る、とでもいえばいいのか。
私はプレイする機会もなく、数年後に基板屋でロムだけ見つけたので、合わせて「ロンパーズ」を買って、やっと遊べたゲームだった。
噂にたがわぬ激ムズ。横スクロールシューティング、謎の挙動、そしてなにより戻り復活! アホか! システムIのゲームは激ムズにしないとだめなルールでもあったんですかね。「妖怪道中記」みたいに。ともかく、これに反省したのか、なにかあったのか、この後のシステムIの「倉庫番」と「タンクフォース」は簡単(相対的)で、また、結構多くのロケーションで見かけた。コピー基板なんかもしれん。システム基板はコピーされやすくないですかね。
とにかく基板を手に入れたのだから、意地でもなんとかクリアはしたい。連コでクリアしてやるぜ! と毎回、毎回意気込むのだけれど、戻り復活が道を阻むし、最終面はコンティニュー不可! アホか! というわけで、クリアした記憶はない。
で、このゲームなんだけど、めちゃくちゃ謎なことに、発売から7年後にパチンコ化されている。
こっちはめちゃくちゃ打ったなぁ。今見ても頭おかしいスペックなんですが、さすがサンキョー。結構な店で導入されてました。基板より売れたんちゃうか。
特筆すべきは特賞中のラウンドデモ。両手を拘束されたお姫様のフンチラ(フンドシチラミセ)、フンドシのみ(マニアックすぎて池波正太郎先生もついていけない)、最後には全裸のお尻をキュウリでスパンキングのもはや謎の世界観が展開される。脱衣シューティングとして名高い「フェリオス」でもここまでやってない。拘束されてる構図はおんなじなんですが。
パチンコとしては、全回転と見せかけてハズレありのリーチアクションもすごい。リーチアクションはだいたいものすごいんですが。あと、とにかく謎に音楽がよい。
というわけで、800円なら納得のゲームなのでオススメです。源平からベラボーマンを経て、なんでこうなったのかみんなで考えよう。
ラジオと
ラジオを聴きながらなにかをできなくなった、と気づいた。
思い返すと、初めての自分のラジオは電子キットで自作した機械だった。それで初めて聞いた某「mamiのRADIかるコミュニケーション」で、私の人生は完全に車線を乗り換えたような気がする。そのあとも、CM聞きたさにラジオをアメリカンしたり(無礼)、青春をアドベンチャーしているうちに、SFを知り、新井素子を知り、「ポーの一族」を知り、いろんな本を読むようになり、これもまた人生の車線を乗り換えた契機となった。
知らないメロディーを教えてくれたり、聞いたことないヒット曲を教えてくれたり、岡村靖幸を教えてくれたのもラジオだった。YMOはテレビで知ったけれど、坂本龍一を知ったのはラジオだったと思う。オールナイトニッポンは当然聞いたし、高井を返せと思ったし、ヤンパラから、夜ドカ、オーデカと聞きづけた。
つまりラジオは最初の「ぼくの、マシン」だった。テレビは家族で楽しむ娯楽だけれど、ラジオは私だけの秘密の娯楽だった。テレビでは楽しめなかった落語もラジオだと楽しかった。思うに「痴楽綴方狂室」はラジオのほうがたのしめたんちゃうか。
初めての自分専用の機械。
ラジオ、ウォークマン、ゲームボーイ、ポケベル、携帯電話、スマホと最初の自分専用の機械は移ろってゆくのだけれど、結局、最後のスマホでラジオを聞いている。
そして、以前なら何かをしながらラジオを聴けたのだけれど、気づいたらラジオを聞くしかできなくなった。
聞きながらなにかをするとラジオがまったくとどかない。いつのまにか、どんなにゲームをやりこんでも音楽をちっとも覚えなくなったのと原因がおんなじに思う。ゲームに集中しすぎて音楽聞いてない。そういえば、ビートマニアって、音楽聞いてるんですかね。音ゲー一般でもいいですが。
これを書き終わったらラジオ聞いて寝ます。あのころからずっと寝落ち。
百木田家の古書暮らし 第3回かんそうぶん。
百木田家の古書暮らし 第3回! ここまで連続で読めてて、次回も読める! すごい!
今回は恋愛回。一果と三稔のそれぞれの物語の回。あれ? 二実は? 二実は客のいない店内でもろ手を挙げて喜ぶ次第。古書暮らしを担当してますな。いろんな話がまじりあって進んでいくのですが、どれもが主流になって、ねじりあってゆく雰囲気が面白いのですよ~。
あと、今回は巻末の「儂に訊くな!」が最高でしたので、みなさん雑誌を読みましょう。
ではまた。
2021年のアニメは「ワンダーエッグ・プライオリティ」が面白かったね
昨年で季節ごとに見たアニメ一覧。
- 2021/冬
無職転生
2期もみた。異世界転生よりも、奥ゆかしいファンタジーとして楽しめた。「ロードス島」を読みたくなる。
ゆるキャン△
原作5巻の年末~正月のエピソードが大好き。なので超満足。
ホリミヤ
やっとのアニメ化。オープニングから大好き。終盤でクロ宮が出てくるあたりが雰囲気が変わって、ホリミヤが終わるんだな、と痛感した。
ワンダーエッグ・プライオリティ
2021年ベストアニメ。素人なのに総作画監督修正集まで買ったくらい好き。未見の人にはまず見ろ、と言いたいくらい好き。なので内容には触れない。
装甲娘戦機
驚きの連続だった。異世界生物との戦いをやたら現実味をもたせて描いてたので、一見女の子アニメなんだけど、見終わると戦争のどうしようもなさが心に残った。 - 2021/春
Vivy
音楽がモチーフなのにアクション巨編。毎回、毎回アクションシーンが息をのむ展開で、毎回、毎回何度も見返すくらい楽しかった。
スーパーカブ
ハードボイルドすぎた。原作を一気に読んだくらい面白かった。とにかく最終話に演出のすべてを集約させたような話運びが印象的だった。これも好きなシーンだけ何度も見返してる。
SSSS.DYNAZENON
グリッドマンのような派手さは鳴りを潜めて、巨大生物が街、毎日、生活を蹂躙するとどうなるか、これもまた戦争の悲惨さを絡めていたように思う。 - 2021/夏
小林さんちのメイドラゴンS
オープニングから明るい色と動きで面白いのがただただすごい。キャラクターのやり取りの面白さ、雰囲気の綱渡りのような明るさが印象的だった。好きなエピソードだけ見返すくらい好き。
白い砂のアクアトープ
2クールの時間をかけて、タイトル英題の通り、ふたりの女の子の物語を丁寧に扱ったアニメでした。「色づく未来」と同様に、とにかくキャラクターデザインがイラストレーターの作風そのままで、アニメーションが見られたのが驚きでした。
かげきしょうじょ!!
アニメ化が報じられたとき、どこまで扱うのかが第一に興味を引いた。原作好きすぎるので……。野島聖……。キャスト、音楽に宝塚を投入する本気さ。第3話のエンディングを見たときの衝撃を忘れない。 - 2021/秋
takt op. Destiny
音楽がモチーフなのにアクション巨編その2。アクションのない回もあり、ロードムービーっぽさもありながら、これまたどうしようもない世界で生きるのがどれほど大変かが、主題だったように思う。とりわけラストがすごかった。
異世界食堂2
安心して見られる、アクションアニメの対極。異世界転生でもなく(逆はあるけれど)。異世界との文化の違いがちろちろ描かれるときに、そうか! と驚きがありました。最終回のケーキカットのシーンとか。
以上です。見よう「ワンダーエッグ・プライオリティ」!
2021年の好きマンガ
今年もマンガを一杯読みました。
ラブコメ多めだったな。ラノベもラブコメ中心に読んだような気がします。SFは短編集多め。SFは短編が面白いと思うのですが、どうですかね。ミステリは連作短編。最近はあんまりないですが。斜線堂有紀のが面白かったです。
というわけで、以下今年の面白かったマンガを10作記します。なお「笑顔のたえない職場です。」「シオリエクスペリエンス」「かげきしょうじょ!!」「百木田家の古書暮らし」は殿堂入り且つ全人類読んでるはずですので、そのままどうぞ。
- 野球場でいただきます
出内テツオ
百合なんかな? 野球場でふたりの女の子が食べるマンガ。最近はスタジアムグルメ、略してスタグルとして、ジャンルとして確立してるようです。
単純に楽しいをしている人を見るのは、やっぱり楽しいです。
- 作りたい女と食べたい女
ゆざきさかおみ
私内本年百合マンガ第1位。という解釈しちゃうと怒られそう。サイトのタグ付けもGLはあるけれども。唐突にはじまったふたりの関係が、食事を中心として広がってゆき、自分の希望に気づいてゆく物語が読むと気持ちが揺さぶられます。
好きなように生きてるだけなのに、それを男のため、とかに解釈しやすい言葉に変換されるのは、確かに同意しがたいよなぁ。
- ワケあって社長令嬢に拾われました
灯
灯先生新連載! これまた唐突に出会ったふたりが、それぞれの秘密を抱えたまま、その秘密の中心へと迫ってゆくサスペンス。これは、百合じゃないよなぁ……。まだ違うだけなのか。毎回次回が楽しみです。
- 可愛いだけじゃない式守さん
真木蛍五
ラブコメ! アニメ化がこれほど先から告知されるのは信頼されている証拠です。アニメ化の告知までの時間が短くなったような気がします。やらかす事例が多いからでしょうか。私たちには見えないのですが、立ち消えになっていったアニメ化案件があまたにあるんでしょうなぁ……。
かっこよ守さんが見られるのが楽しみです。
- ホリミヤ
HERO/萩原ダイスケ
連載10年かけて完結しました。今年はテレビアニメも放送されて、有終の美を飾りました。10年! 10年ですよ。作家人生のほとんどのような気がしますし、人としても10年は人生の何割でしょうか。読者側の10年も同じだけの重みがありますな。明るい終わり方でとてもとてもやさしい物語となりました。
そして、なぜかまったく触れられない実写版「ホリミヤ」でした。
- 友人の妹
志摩時緒
ひょんなことから、友人の妹と恋仲になってしまったラブコメ。その周りにもいろいろな恋愛模様が進みます。ヒロインちゃんがとてつもなくかわいいので、ニコニコしながら読んでます。
- オタクに優しいギャルはいない!?
のりしろちゃん/魚住さかな
コミックゼノンで連載中の、クラスのオタクくんがカースト上位の女の子ふたりにいじられたおされるコメディ。オタクにやさしいギャルはいないんだけど、いてほしい童話です。
単行本は未発売なので、今から発売を楽しみにしてます。
- やんちゃギャルの安城さん
加藤雄一
オタクにやさしいギャルのふたつめ。こちらは最近急展開を見せたので、単行本が楽しみなところ。安城さんの表情がめっちゃくちゃかわいらしいので、毎回が短いのだけれど、その表情を見られれば満足しちゃう……。
- HGに恋するふたり
工藤マコト
楽しいことをしている女の子たちを見ていると、当然楽しいのだ。そしてなにより、好きについて話している女の子たちが楽しそうなのもとても好みです。私もいいかげんにガンダムエクシアを作りたいと読むたびに思います。作らないですが。ガンダムブレイカーでは作るんですが。エントリーグレードストライクくらいは作るか……。売ってない。
- 草野と希
岩国ひろひと
「銛ガール」の岩国ひろひと新連載。なぜか電撃大王。「野人転生」と同じくらい、電撃大王謎連載枠ではないでしょうか。ムキムキマッシブの元やくざと、女子高生の温泉旅とサスペンス。ゆっくり進んだり、急にバイオレンスになったりと毎回、毎回読んでて楽しいです。「銛ガール」終盤で獲得した絵柄の緩急がとても面白いです。
いろんなマンガの力を借りて、生きてこられました。来年もまた。
ずっとずっと「スーパーハングオン」に助けられた。
忙殺の上に忙殺が重なる毎日の1年だった。そんな中、私を助け続けてくれたのは、3DSの「スーパーハングオン」だった。
単品でもいいのだけれど、アーカイブス FINAL STAGE だと「エイリアンシンドローム」が遊べるのでこっちをお勧め。
音楽が好きだからだろうか。ずっとずっとこのゲームを遊び続けていた。ビギナーステージをスーパーチャージャーふかしっぱなしで走り抜けるのがとにかく楽しい。1ゲームの時間も好みの短さ。短時間に脳を破壊するほどの緊張と爽快感が駆け巡る、サイコーのゲームだ。3DSだと本体を傾けて操作ができるのも面白い。いまだに思った通りにならないけれど、微妙なハンドリングができるので、よりゲーセン感覚。なんならファミコンの「トップライダー」の風船ボディに3DS本体を張り付けてもいいんじゃないかな。よくないか。
まずはコースを覚えて、そのうえでスーパーチャージャーを吹かせる箇所を探す。減速しても、なんとか短時間で立ちなおしてスーパーチャージャーを吹かせる。正確な操作が必要、なんだけれど、コースを覚えれば基本的にふかしっぱなしで走れるビギナーステージはサイコーです。おまけに3DS版は難易度最低にすると、敵車の当たり判定がなくなるので、さらに楽しい。もう、これくらいの簡単さが、ちょうどいいんだよ……。
最高に丁度いい。大切です。これから先、ますます遊べるゲームが減ってゆくんだとは想像しますが。最近はアーカイブで、過去に狂ったように遊んだゲームが発売されるのですが、当時ほど楽しめているのかちょっと疑問ではあるんですよね。「ドラゴンバスター」は今でも楽しめましたが。シューティングはもう無理だな。
そんななか、コースを覚えればなんとなく、なんとかなるレースゲームです。いや、いまだに「ロードファイター」の逆ハンができないわけなんですが。逆ハンは年々むつかしくなるほうじゃないですかね。どうですかね(再演)。
「スーパーハングオン」は単にアーカイブスではなく、3DS用にチューニングされ、かつ、現代向け(つまりは高齢者向け)にデチューンされたりしてるので、最高に楽しく装い新しくリリースされています。ああ、当時はこんなに楽しめなかったな、と思い出します。むつかしいゲームが面白いゲーム、なんて等式が成立していた時代があったんですよ。ゲーセンに残った俺たちは、家庭用と違ってむつかしいゲームを遊んでいるんだ、と思ってなかったですかね(自戒こみで)。
その上、3DSにヘッドホンをつけてプレイする、聞くBGMは最高の最高です。バイク乗りの孤独を感じる「Outride a Crisis」、挑戦前の興奮を伝える「Sprinter」、レース中の勢いそのままの「Wininng Run」、夜の高速を走るかのような「Hard Road」。どれもこれも、荒んだ気持ちで、孤独にゲームにふけるには、お似合いの音楽です。いやさ「汚れた英雄」みたいだとは、今年思いましたけど。当時は全然そんな連想をしなかったですね。
なんか、今年は「汚れた英雄」の話ばっかりしてたような気もします。アニメ「スーパーカブ」の影響でしょう。「スーパーカブ」はすっごいよかったですよ。アニメも面白かったのですが、原作は地の文がまんな大薮ですよ。ところで「汚れた英雄」いつになったら再刊、もしくは、電子書籍化されるんですかね。
そんな中でも「スーパーハングオン」で、走り続けていました。走っている間だけ、なにもかも忘れられました。来年も走り続けるでしょう。
そう思うのです。
今週も「百木田家の古書暮らし」が読めたよ!
「百木田家の古書暮らし」第2話が読めたよ! 今月は毎号読めたし、次の号、つまり新年早々第3話が読めるようだよ!(なお、雑誌巻末の次号予告では第2話と痛恨の誤記)。
内容は古書店について、登場人物のこれまでについて、これからについて。結局のところ、主人公であろう二実にだけ悩みがなかったという衝撃の展開。はやく古書店営業の知識が身につくとよいですなぁ。古書組合が手引きしてると思うんですが。
古本屋ですか、いいですね。春陽文庫の古いのは安いと買いますね。読まないのに。なるべくミステリか秘剣モノにしてはいますが。あと創元SF。ヤケてるくらいのが読みたい感じがします。「バーナード嬢」でも似たような話があったのを思い出します。アイテムとしての古書。どうでしょうか。北鎌倉駅近傍の古書店の方。
今回の第2話にも、こういうやっかいな古書ジジイが出てきたので、こういうやっかいな人がきたら逃げてください。どうせワゴンの均一しか買わないのに、古書知識をひけらかすのカッコ悪いですよ。はい。
作中で二実が抱きしめているのは「libro ilustrado flores 」、作中での言及のとおりスペイン語のようです。実際にある本なのかな……。古書モノですと、このあたりが面白い。実際にある本なのか、ない本なのか。すくなくとも最後に出てきた「普世久講」は架空の人物のようですが(google検索の結果)。台湾経由の本なのでしょうか。同じく集英社の「R.O.D TV」を連想させる展開です。逃げるんです、本ってやつは! ですよ。ところで最終巻はいつ出るんですかね。
とにかく、ここまでで、前番頭が抜いていった本の行方はどうなったのか。謎の文庫、文学、版画に、謎の別れた夫と先輩と、いっぱいいっぱい謎が出てきていますが、はたしてこれからどうなることやら。
どれが本筋になるのかドキドキです。あと、冬目先生の色紙の懸賞があったり、やたら答えるのにしんどいアンケートがありますので、ぜひ本誌を購入しましょう。ふなつかずき先生の読み切りがめっちゃよかったですよ。