「Inscryption」を

というわけで「Inscryption」がおわりました。

 

store.steampowered.com

 

カードゲーム、その上パッケージのゲームですとカードは課金しなくても揃えられるわけですよ。あと時間を注ぎ込めば……! と思うじゃないですか。

で、実際遊んでみるとデッキ編集がクッソ面倒くさくて投げてしまうんですよね。デッキ編集のUIはだいたいどんなカードゲームでもにたりよったりで、当然のようにカードを選んで、ルールに従ってデッキを組んで、データをセーブする。限られた画面中にカードを詰め込んで表示したいがために、だいたいカードが見にくい。このデッキ編集だけが現実に劣るんですよね、ほんと。資産がない序盤はほとんどお世話にならない機能ですし、新カードを手に入れても1枚ではデッキに入れる気にもならんし。

で、そのうちにコモンカードが揃ってきて、使ってないカードが増えてきて、デッキを組むのが面倒くさくなって放り投げる。

私はそうでした。

それがこのゲームは、最初に4枚のデッキを渡されて、プレイ中にカードが増えていくのだけれど、その全部をつかって1デッキなので、このクッソ面倒くさいデッキ編集をしなくていいのが最高でした。カードゲーム+ローグライトなので、カード性能は繰り返し遊べば上がったりもするので、デッキはそのままでもデッキパワーは上がってゆく。デッキ編集しなくても勝てる! 楽! 最高! そのうちにぶっ壊れカードが手に入ったりしても、デッキが太らないのですぐに使えるために、そのパワーを簡単に体感できて面白い。デッキ編集のなんと面倒くさいことでしょうか。これをプレイしていて、つくづくそれに思い至りました。

次第にデッキが出来上がってくると、ワンターンキルを考えるゲームへと変わっていって、その詰将棋のようなパズル感も楽しいです。ゲームバランスなんざしったことではない。なにしろ、終盤に向かうにつれ、ワンターンキルをするか、されるかになってしまうのだ!

 

非常に遊びやすいDTCG(Tないけど)なので、未プレイの人には強力にお勧めです。全体的なグラフィックデザインが光量不足なのは否めないので、その点は好悪を呼び寄せる点かな……。私も最初のうちはちょっと苦手でしたが、そのうち慣れました。慣れる……。そうか、人は慣れるんだな……。

ローグライト要素があるため、負けてもキミは強くなる。

そして、最後は君の眼で確かめてくれ!

冬目景「百木田家の古書暮らし」がはじまったよ!

グランドジャンプ冬目景先生の新連載がはじまったよ! タイトルロゴが連載時の「イエスタデイをうたって」っぽいので安心しました。

 

grandjump.shueisha.co.jp

 

舞台は神保町。ひょんなことから古書店を営む事態となった、百木田3姉妹の日常の物語。なんだけど……、という展開。もうみなさんお読みでしょうから内容には触れません。読んでない人は読みましょう。500円で手に入る幸せです。電子ではなく、印刷されたものを読む。その行為が尊いのです。電子は古書にならないのです。

 

まずなにより初回54ページなのが嬉しかった! 読んでも読んでも、まだ読める幸せ。読んでる途中で、ページ多くない? と気づいた瞬間がよかったです。

背景、古書、埃っぽさ、3姉妹それぞれのやりとり、表情などなど、1ページ、1ページごとに、冬目景まんがを読む幸福が詰まって、あふれていました。なにより新連載! 今年「空電の姫君」が終わったところなのに! そして、次号にも掲載! 月1じゃない!(先は判らんけど)

 

雑誌のアンケートはがきもわりかし強めの冬目景推しでしたので、ぜひアンケートはがきもご一読ください。

君と夏と僕のバシシ・マーカー。

アーケードアーカイブスに「リブルラブル」が発売された。思ったより早く発売されてうれしい。とてもうれしい。

 

www.hamster.co.jp

 

コントローラにアナログスティック2本が標準となって久しい。そうじゃないWiiでも発売されていたのだけれど、アナログ表示だったのと、タイトルロゴが「2009 NBGI」で、ちがうちがうそうじゃないと思ったものです。ここはとても重要です。そういえば「バベルの塔」はなぜタイトルロゴを変えたんですかね。

 

www.bandainamcoent.co.jp

 

さて、なにはともあれリブルラブルの思い出話なのです。以下、思うままに。

私がはじめてであったのは、地元のとある施設のゲームコーナーでした。当時で5年くらい前にでたゲームで、傑作と評価は定まっていたような気がします。こういう評価の情報元があやしいですが。おそらく「オールアバウトナムコ」じゃないかなぁ。

当時は80年代の終わりころ。あわせてナムコ黄金時代も終わった頃のような気がします。ゲーセン黎明期のナムコ黄金期は「ナムコのゲーム」が1ジャンルでした。また、当時のゲーセンではゲームを遊ぶ、ではなく、最新のコンピュータを触りに行く感覚でした。ハードごと売る形式のアーケードゲームならでは。

話がそれますが、私のゲーム遍歴は、ファミコンからスーファミに行かず、メガドライブに行き、スーファミ後にプレステ、サターンに行かず、基板に行ってしまったのですが、その時に「リブルラブル」の基板を探したものです。とはいえ、売られていたとしても「リブルラブル」の基板はコネクタがJAMMAではないため手が出せず(あと、価格がすごかったのもある)。あと、リブルラブルの基盤と言えば、田尻智さんが基板棚から出そうとしたら、棚から他の基板とあわせて雪崩うって落ちてきて血まみれになった話を思い出します。プチプチでくるんであっても、基板裏面に人の皮膚は負けるんじゃ。

似た名前の「バブルボブル」もコネクタがJAMMAじゃないので手を出せず、タイトーは「スクランブルフォーメーション」も欲しかったな。「スクランブルフォーメーション」はステレオ化にも別途ハーネスが必要だった記憶があります(ググらないスタンス)。

でもって、さらに時は過ぎ、具体的にはもう5年くらい過ぎたころ。急にいろいろな機種に「リブルラブル」が移植され始めた。X68000、マーティ、スーファミと。X68000はさすがの出来でこれを一番遊んだ。2番目はスーファミ。簡単だったから。とはいえ、遊び続けられたのはスーファミ版か……。ハードウェアの寿命が長く、ロムカートリッジは強靭ゆえに。

Wiiのバーチャルコンソール版も購入はしたけど……な感じに。

で、今年になってPS4で購入して、これが結構プレイしてます。遊びやすいのと、画面がきれいなのと、なによりタイトル画面が基板まんまの著作権表記なのとが相まってます。バシシマーカーなんざいらねぇ! 記憶力でプレイだ! あと、アナログスティックでプレイしてますが、相変わらず「やってねぇ!」が多いです(30年ぶり2度目)。知らんうちにリブルが上がり続けたり、リブルとラブルが入れ代わったりしてます。この混乱が楽しいのです。

 

それではお聞きください。「目蒲線の女」。

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冒険してもいい頃をすぎても

先月までリプレイが読み放題だったので、可能な限り読んでました。

 

bookwalker.jp

 

とりあえず、黄色帯のドラゴンブックを手当たり次第に。既読、未読の区別がつかず、古いものだと忘れているので、結局未読みたいなもので楽しく読めました。

RPG、テレビゲームをしたいんじゃなくって(いわゆるJRPG)、リプレイを読みたいんだな、とつくづく思いだしてました。最初に見たRPGを親だと思う習性があります、みたいな感じです。みんなのRPGはどこからかな?

当時……。思い出したくないけれど、リプレイが面白すぎて、真似したくなったりしましたが、まぁ、うまくいくはずもなく、あとGMを困らせてこそ上級プレイヤーみたいな風潮もありましたし。あの時はほんとごめん。とはいえ、みんなしてリプレイを読んでいたし、GMは強かったしで、それはそれでバランスがとれて……いないなぁ。新しい遊びだったから、やってるだけで楽しかったんだよな。今の「マーダーミステリ」のようなものでしょうか。キャラクターを自分で作るので、それを演じる気恥ずかしさはあったような記憶があります。思い出したくないです。ディードリットを演じた山本弘は偉大。VTuberの先鞭ではあるまいか。

と、そんな感じで読んでました。すげぇな読み放題。期間限定なのが惜しまれる。一か月で読める量じゃないです。そうそう、昔々一瞬だけ一冊100円セールがあったんですよね。二度と開催されていないですが。はちゃめちゃに古いんだからよくない? 正価で売れていくならそれでいいのか……。いいのか……。

ソード・ワールド2.0」、「アリアンロッド」、「ダブルクロス」とかの黄色帯じゃないのは完全に新作。キャンペーン終盤に無理してそれぞれ2冊くらい目を通したくらいでしょうか。「六門世界」も初めて読んだか。いや、あれは読んだといえるのか……。

300冊も一カ月に読めるかー! もっかいやってくれー! 次は「女の子だってRPGしたいんだもん!」とかファンタジーファイルを入れてくれ。「女の子だって」は現在に通ずる問題提起の1冊だし。あと、今リストを見ると、謎に「トラップ・コレクション」だけ読めたんですね。なんでやねん。ファンタジーファイルから1冊やったら「スペル・コレクション」やろがい(個人の感想です)。

 

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積みゲー

というわけで、積みゲー(物理)を今年中に終わらせようとおもいました。

ではまた。

This is 最高にちょうどいい東亜 「究極タイガーヘリ」かんそうぶん。

究極タイガーヘリが出たよ! まだ買ってない人はすぐに購入しよう!

 

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究極タイガー」はどこのゲーセンにもあったのでよくよくプレイしました。さすが究極。むつかしいのに面白くって遊んでました。思い返すと、アーケードゲームの難易度がどうしようもなく指数関数的に急上昇していくのはこの後でしょう。とはいえ、アーケードゲームはむつかしければむつかしいほど歓迎されると勘違いさせたのは「究極タイガー」の成功があったからじゃないでしょうか。

 

どこのゲーセンにもあった、というのは、その中にはコピー基板もあっただろうにと今は思います。プレイヤーとしては、純正とコピーの違いはわからんのよね。コピー基板を作ってるのってどんな人なんだろう。個人じゃないんだろうけど。コピー基板ってすごくない? キャラROMだけコピーしても動かないんだよ? 基板は生産しないとだめじゃん? ただ、コピー基板業者はインタビューもできないだろうし、誰も何も語らないだろうし。それも、アーケードゲーム史としては残しておくべきなのか? 「バトルガレッガ」にコピー基板があったのは驚いた。まだコピー屋が活動してたのか。国外なんかな。

 

思い出話はともかく、製品収録の「タイガーヘリ」スーパーイージーがめちゃくちゃ楽しいのでお勧めです。4面1周で終了、私でもノーミスクリアでだいたい20分くらい。スコアランキングも自分なりの頂点まではいけそうな雰囲気です。スーパーイージーのスコアランキングですが、1位がすごすぎて驚いたところです。リプレイは未見。残機つぶしなんだろうか。戻り復活、クリア時残機ボーナスがないので、つぶすのが正解です。ボーナスカー全取りで10万、ラウンドクリアボーナスで8万をこぼさないのが当面の目標です。

 

究極タイガー」は当然ながら「タイガーヘリ」に比べると画面がきれいで、音もきれい。ぐっと今風です。さすが。が、スーパーイージーでもむつかしいし、10面は長い……。当時は無限周回ですので、トッププレイヤーの集中力と体力には驚かされるばかりです。当時だと「ドラゴンスピリット」をクリアした人にも驚いたものです。立ち見しててもつかれた記憶。

あと「究極」をプレイしていて思ったのは、ショットトリガーズ「フィーバロン」みたいに「タイガーヘリ」にもFMアレンジモードがあればいいのにな、と余計な夢想でした。グラフィック性能と音楽性能が合致しなくなるので、あったらあったで違和感があるんでしょうけど(くどい)。

 

併録の「ゲットスター」は初プレイ。いやー、すごい。夏休みの家族で行った旅行先の国民宿舎のゲームコーナー感がすごい。インストの自機キャラデザ、出てくる敵キャラのデザインと、濃厚な当時性にくらくらします。そう「マグマックス」並みにくらくらします。

 

www.youtube.com

 

あと、初回付録の小冊子での開発者インタビューで「オルカで開発したジャイロダインを参考に」との発言に驚きました。「ジャイロダイン」は同時に開発されてないし、ましてやオルカで開発されてたってことは、クラックスはどんだけ短命な企業だったんだろうか。

1980年代初頭にゲーム開発を生業にしていた人たちの話をもっともっと聴きたいなぁ、と小冊子を読みながら思っていました。東京のゲーセンは新作ゲームが入れ代わり立ち代わり遊べたんだろうなぁ。プレイヤーの物語ももっともっと聴きたいなぁ。

「泣きたい私は猫をかぶる」をやっと見たよ。

「泣きたい私は猫をかぶる」をやっと見たよ(リフレイン)。

 

nakineko-movie.com

 

昨年劇場公開予定だったのが、疫病のためにネトフリ配信に。配信になっちゃうと、いつでも見られるからいいかと、見たいリストにほうりこんでそのままにする悪い癖。つまり、いつでも読める本は未読棚から永遠に出てこない。

舞台は中学校。嘘をつかない女の子と、その女の子に好かれた男の子が年相応にこじれていく話。女の子が、その年の夏まつりで、ひょんな出来事から不思議な猫の面を手に入れてから、ちょっとずつそれに依存していって、でもそれは悪魔の取引で……。

子供も、子供大人も、大人にしても「話しても伝わらない」「話してしまうと、正面からそれを見なければならない」のは、ストレスで、できれば避けてしまいたい気持ちはよくよくわかる。できれば猫になってしまって、なにもかもどうでもよく、もしかすると、他人が片付けてくれるかもしれない、もしかすると、運よくなにもかも、明日の朝には解決してるかもしれない、なんて、想像してしまう。

そんな諦めが大人になるってことなんかな。作中でも大人はなにも話してくれない。話すにしても、それの周辺ばかりをなぞってばかりで、中心には絶対手を触れない。

それって優しさなんですかね。どうでしょう。

終盤、大きな大きな島が出てくるんですが、劇場公開ならさそざかし映えただろうとつまんない想像をしてました。そこまでは、ちょっと不思議な日常が続いて、つまりは、ずいぶんカメラが近いのですが、その終盤からは急に大きい絵になる感じでした。ゆっくりと近づいてきてたから急じゃないのかもしれない。うーん、でも、やっぱり急だなぁ。

その急展開が見終わった後に強く印象に残りました。

子供たちの間だけで事件が起こって、解決されてゆく。そういう物語でした。

みんながよかれと思って行動してるのに、積み重なって次第に大きくずれてゆく。

毎日は選択の連続ではなくて、修正の連続だとつくづく感じます。

私は、感じられないちょっとしたずれに気づける人になりたいです。なんでも、かんでも、後から、不可逆になってから気づくばかりなのですが、現在進行形で気づけていないと自覚するのは、生きるのがつらかろう。はい。

劇場版マクロスΔを見たよ、の段

「劇場版マクロスΔ 絶対LIVE」を見たよ。

すごかった。以下、なるべく直截に内容は触れないでおきますが、察しがいい人ならわかっちゃうので、これから見る人はご留意ください。

 

macross.jp

 

「銀河争奪歌合戦」の告知画像を見たときには「プリキュア劇場版じゃん」と安心していたのですが。物語はこれまでマクロスを見てきた大好きなみんななら楽しめる、のかな? マックスが出てきて、超絶軌道で戦闘したり、シャロン・アップル受肉したりと結構な内容でした。ウィンダミアのリンゴって、シャロン・アップルが由来なのか?

同時上映の「フロンティア」の内容が、ランカがふたりのいない世界でそれでも歌い続けている寂しい一瞬のおとぎ話だったので、この「フロンティア」のあとから始まる「Δ」にも終始嫌な予感が付きまとうのは仕方がない。仕方がないんだ。

 

テレビシリーズ「マクロスΔ」なんですが、ちょうどいいんですよね、内容が。ハヤテとフレイアのテレビシリーズ後の未来、これからは想像するに辛いんですが、そこは書かれなかったので、想像で、もしかすると幸せに暮らしましたとさ、の空白があったんです。そこに縋れたというか。じゃあメッサー君はどうすればよかったのか……。カナメさんが出てくるとラッシュ終了のお知らせだったのもよくない印象です。メッサー君……。

で、この劇場版は、その空白を完全に塗りつぶしてしまいました。うわーん。そりゃそうなんだけどさー。劇場版途中で、寿命の尽きたウィンダミア人がどうなるかが描写されてて、嫌な予感は最高潮に。なんかもう、とにかくずっと緊張して見てました。見終わると、なんかもう、ほんとに気持ちが揺さぶられて、はっきりと悲しくて泣いてました。どんな気持ちで「リボーン」聞きゃいいねん。あと、全体的に激熱リーチハズレの場面が多かったような印象です(マックス登場で復活大当たり感。ついでですが「ユニコーン」はいい話がおおいのに、「フロンティア」は悪い話ばっかり目にするような気がします)。

 

見てよかったのは絶対なんですが、その反面、当然の展開に対しては、そこをなんとか、と思うのは正直な感想です。スタッフロール後のシーンのあれで、救われたとは、私は思えないんですが……。

どうなんでしょうか。

「INFORMATION HIGH」大好き……。