電光超人よ、まわれ!

「SSSS.GRIDMAN」が終わった。なので、そのまま書く。泣いたまま書くのだ。好きだと書くのだ。

子供たちだけの事件の物語が大好きだ。「グリッドマン」「光車よ、まわれ!」「ノーライフキング」「電脳コイル」「アクセル・ワールド」「ペンギン・ハイウェイ」。「チョコレート戦争」「ぼくらの七日間戦争」のような子供対大人の物語ではない。子供たちだけの事件が好きなのだ。子供たちの事件に大人たち気づかない、翻弄される場面が好きなのだ。

たぶん、新しいテクノロジーはいつだって、子供たちの事件の舞台になるのだろう。コンピュータ、ビデオゲームファミコン、パソコン、ネットワーク。ケータイ。スマートフォン。電脳メガネ。ナーヴギア。オーグマー。ニューロ・リンカー。

無邪気に事件は起こる。

そして。

11話の内海のセリフ。「怪獣とグリッドマンの戦いを楽しんでいたのかもしれない」。

SNSやらにぼくらの世界が侵略されていないだろうか。退屈だから、退屈そうにスマートフォンばかりみていないだろうか。草薙素子はいまのインターネットを見ても「ネットは広大だわ……」といえるだろうか。

 そして最終話。

オリジナルの「グリッドマン」を救った。

漫画版「グリッドマン」を救った。

エヴァンゲリオン」を救った。

ダーリン・イン・ザ・フランキス」を救った。

もしかすると「プログレ」「オルタナ」も救ったかもしれない。

そして、たったひとりの女の子を救った。

友達は2人もいてくれれば、それでもう手が一杯だ。

最後。

彼女が起き上がるシーンで涙がとまらなかった。たったそれだけための物語だと判ったからだ。

Take care of yourself.

「ゆるキャン△」のやさしい世界

ゆるキャン△」連載分が伊豆キャンプに向けて進んでいる。おそらくアニメ二期の山場はここだろう。

10月はなでしこ家族回、11月は志摩リン家族回だった。この家族模様を描くところが「ゆるキャン△」のやさしい世界の源泉だ。

物語中にはキャンプの関連する要素以外は扱われていない。恋、進学、友人関係、反抗期などなどの悩みは一切語られない。学校を軸とした、先生、友人との関係はキャンプを通じて親密になる。妹を探して姉が深夜に車を出してくれる。妹のキャンプの付き添いで車中泊をしてくれる。風邪をひけば友人が自宅まで見舞いに来てくれる。家族が顔を出しても恥ずかしがるそぶりも見せない。一人娘が原付免許をとっていきなり100キロを超える小旅行を計画しても、送り出してくれる。行き先にあわせてお使いを頼む態でお小遣いを持たせてくる。祖母、妹とこたつでみかんを食べながら、肉の食べ方を相談できる。年越し詣でを先生、友人と出かけられる。ちょっとキャンプでしくじっても、友人、先生が助けに来てくれる。引越し先の友人と、地元の友人が違和感なくなじんでいく。昔の自分の写真を見せられても、気にしない。親戚宅に友人を気軽に呼んで、泊まってもらえる。ちょっと、地元のとっておきを教えてみたりする。バイト上がりの友人が夜でもそれに付き合ってくれる。バイト先に友人の母親がきたら、ちゃんと話ができる。

キャンプでの献立に悩んでいると父親がアドバイスをくれる。父親が原付をメンテに出してくれて、追加パーツをつけてくれる。祖父はパーツが足りないとバイクを駆って買いに行ってくれる。友人たちはこっそり誕生日を祝う準備を進めてくれる。

居間で家族でテレビを見るシーンはない。タブレットでの調べ物は居間で家族と一緒にすごしながら。しくじった食器はサボテン入れに再利用してくれる。

家族、友人、先生や、いろんな大人たちが自分の話を聞いてくれること。

幸せの源はこれに尽きる。

ゆるキャン△」世界の特異点は、とりわけ家族が扱われているところだ。両親が子供に任せて海外赴任なんて事態は存在しない。

彼女の物語は、家族そろって山梨への引越しから物語が始まる。

祖父からもらったキャンプ用具で彼女の物語は始まっていた。

このやさしい世界、それを反抗期から照れくさいとも感じない少女たちをとりわけまぶしく感じるのだ。しかし朝日はまぶしい。そのシーンもたったヒトコマ、椅子が湿っているのをはたく彼女のしぐさがあるだけで、印象的になる。好き。たしたし。

ゆるさ、とは、この心地よさなのだとつくづく感じる、ここ2回の連載だった。

今年のラミーは2年に一度のでき

冬季限定のお酒のチョコレートがある。ご存知だろうか。

ラミーとバッカスだ。冬季限定とうたってはいるが、9月くらいから販売されている。10月になるとストロベリーが加わり、1月くらいからリンゴのお酒のカルバドスを使ったチョコレートも加わる。今年の公式サイトにはカルバドスはまだない。1月? そんな先のことはわからない。

昨年はバッカスの当たり年だった。今年はラミーのできがよい。ねっとりとしたラム酒の舌触りがチョコレートと分離しておらず、忍び込むように香りと味を差し込んでくる。昨年は砂のようなざらつきを感じさせたラミーであったが、今年のできはすばらしいの一言に尽きる。本来、ラム酒は甘い酒である。それをチョコレートに使おうとすると、どうしても甘み同士が戦ってしまう。昨年はそれを制御できているとは言いがたかったが、私の予想を裏切り、今年のラミーは時期はじめの一口から、その違いをはっきりと身にまとって現れた。

なんという驚きだろうか。期待していなかったわが身を恥じた。ショコラティエ側でも、昨年の不出来を囲ったままだったのだろう、と思わせる味だった。1年がすぎ、帰ってきたラミーは捲土重来を期し、また、ショコラティエの自信を感じさせるオーラすら身にまとっているかのように見えた。よく見れば銀紙だったが。

ラミーのうまさとは、肉厚のチョコレートとそのうちに秘めたラム酒とが、しっかりと支えあう、味の交差、共鳴、協奏がその実である。前述のように昨年はお互いが相手より前に出よう、出ようとして、結果として共倒れとなってしまったのだ。

今年のラミーは昨年の印象を払拭して余りある、華々しい復活劇だ。ただ帰ってきただけではない。そのうちに不出来を自覚した恥を雪ぐ気概を秘めた気高い雰囲気をまとった一品だ。やはり、よく見れば銀紙だったが。

今年のラミーはおいしい。私がオススメする一品だ。

ひとつの趣味を終えたはなし

基板と筐体をすべて処分し終えた。動く基板は欲しい人に、動かない基板はそれでも欲しい人に。難物だった筐体は天佑で処分できた。

なので、思い出話を書いて本当に終わりにしよう。

基板に手を出したのは「戦場の狼」が遊びたかったからだ。縦画面であそびたかったからだ。

だからまず最初に筐体をかった。青のコンソレット16。買うならコンソレットと決めていた。でも、ナムコ直営での稼動か、それ以外はリースらしく、なかなか買う機会がなかった。偶然にもゲーメストの広告でデモノを目にするとすぐに買った。たしか送料込みで3万円くらいだったとおもう。コンパネは2レバー、3ボタン。これならだいたいのゲームがプレイできる。当時は格ゲー全盛期だったのだけれど、ナムコは結局ブームの最後まで2D格闘は出さなかった。出たのがアレだったけど。そのあとの「鉄拳」はいまだにフロントランナーなのだから、未来は誰にもわからない。

次は基板。これもまたゲーメストを見て、FAXでカタログを取り寄せたり、電話で問い合わせたり。

そして、行けなくもない基板屋には実際に見に行った。今思い出しても、基板屋の雰囲気は独特だ。店も客も「判っている」のが前提だからだろうか。エアクッションにくるまれて棚に並べられた基板。きまってスチール棚だった。ボタン、レバーなどの消耗品。コンソレットのボタンって、独特の鋭角を持っているので、セイミツと交換するのものためらわれた。なんか、特別で、ナムコ感といえばいいのか。

結局、その行った基板屋で「戦場の狼」を買った。JAMMA変換ハーネス、インストつきで8000円だった。これまた安い。古い基板だとJAMMAじゃないのがねー。これが理由で「スクランブルフォーメーション」はあきらめたんだよなぁ。

コンソレットのいいところは、ステレオスピーカ用のコネクタが引き回してあること。ナムコのシステムI,システムIIなら即ステレオで楽しめる。とおもって、いまググったら、システムIIのステレオ側エッジ用コネクタが今は入手しにくいのね。当時はざっくばらんに売られてた。システムIには基板に直接コネクタがあったのに、システムIIではエッジになったのはなぜだろう。システムIIの基板はそんなに買わなかったので、困らなかったけど、設計思想は気になるところ。今。

戦場の狼」をめちゃくちゃ遊んだ。サービスボタンを連打してクレジットを入れまくった。基板を買って一番楽しかったのは、このクレジット入れまくり遊びかもしれない。

で、コンソレットなのでヘッドホン端子があるので、とうぜんヘッドホンでプレイ。かー、たまりませんな。ヘタでも問題なし。クレジットを入れまくればいいし、「戦場の狼」は先の面なんてないし。連射が自前なのが辛かったくらいか。あといまさらカプコンクラブにはがきも出せないし。

そのあとは基本的にカプコンナムコの基板をぼつぼつと買いそろえていった。80年代ナムコの基板はすでに高価だった。「フォゾン」は安かったか。おもしろいじゃん、「フォゾン」。「リブルラブル」の次じゃなかったらよかったのに。たぶん。「リブルラブル」はずっと高価安定、デモノもなくで買えなかったな。一番安くて68000円だったような記憶がある。CPUの型番かよ。

探しに探してやっと変えたのがコナミの「ミスター五右衛門」。めちゃくちゃ好きで、めちゃくちゃ遊んだのだけれど、あっというまに撤去されてしまった私の中だけでの名作だった。ファミコン版の「がんばれゴエモン」は違うんだよなー。今となってはアケアカで遊べるので問題なし。「ソンソン」も買った。「ソンソン」はなんか、唯一置いてある店(ゲーセンじゃない)が1Pのレバーが左、ボタンが右の逆配置の筐体で、遊びにくくて仕方なかった。あの筐体はいったいなんだったんだろう。あの店の「ソンソン」以外でみたことがない。

そうやって自宅の棚にちょっとづつエアクッションにくるまれた基板が増えていくのが楽しかった。基板は精密部品丸出しですぐに壊れる雰囲気が強くて、それもまた基板を持っているが故の気持ちで、うれしかった。専用ICが多いので壊れると直しようがなく、ジャンクを入手して移植するしかなかった。直ればうれしかった。ROMが壊れたのはどうしようもなかったけど……。合掌。

と、いろいろ楽しかった基板あそびも、いろいろあって、処分しはじめて、ついに全部手放し終わった。これで基板あそびの終了。たのしかったよ。ありがとう。

電撃祭2018秋 大感謝祭

10/7に秋葉原で開催された秋の電撃祭に行ったんだよね。なにも言ってなかったけど。

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電撃大賞の告知看板。この看板の前にスタッフさんが立っててさぁ、なんか、こう、見る人がないから見せる必要もないと判断されたようで大賞なのに扱いが雑だなー、と思った次第。もう誰も小説なんで読んでないんだな、とつくづく感じました。イラスト、まんがも同じ雑さか。

うーん。

ステージイベントでちょっとくらい大賞の結果に触れてもいいんじゃないかなぁ。

うーん。

ゲーム、アニメはそりゃ大勢の大人とお金と時間と人生を投資してるから扱いが丁寧になるのは道理なんだろうけどさぁ。

と、毎年とおなじ気持ちを感じました。

先にタイトルだけで電撃大賞受賞予想をしましたが2つあたりでした。とりわけ「つるぎのかなた」は大当たりでしょう! これは! あらすじがずいぶん思ってたのと違いましたが。やっぱり全体的に新文芸/キャラ文芸/ラノベ++のような作品がおおいなー、という最終タイトル全体から受けた印象はそのままでした。「折り鶴姫の計算資源」はめっちゃ好み。「鷲見ヶ原うぐいすの論証」が好きなんですよねー。うん。SFなんかみあたらねーな! ファンタジーも! それはなろうとカクヨムからデビューしてくれというアツいメッセージ。しかと胸に響いたぜ!

ステージイベントは「ガーリーエアフォース」が当選してました。アニメ向きだよね! 「なれる!SE」よりずっとアニメ向き!

イベント中初公開のPVを見たステージ上の出演声優さんの発言で「色がついたのはじめて見た」とあって、誰もそれに触れないって言う。わかります。

感想としては、あれだけ推してる「新米姉妹」「熱帯魚は雪に焦がれる」についてはアニメ化とか告知がないのが不思議でした。「はにがれ」は早すぎるか。

現場からは以上です。

虎走組総決起集会に参加した

kobashirikakeru.blogspot.com

 

というような理由で虎走の姉御が「電撃組に礼をせなのう。若いの集めろや! その命わしがもろたるさかい!」と天下に号令をかけたので、決起集会サイン会に参加しました。虎走先生といわさき先生、ふたりあわせて(フォロワー)6万パワーズなのですから当日はどうなることかと不安もありつつ、万世橋ポケモンGOレイドバトルを横に視ながら歩を進め、開始時刻まえには会場に到着。

会場までは迷いませんでした。なぜならもう列ができてたからです! やはり……! と最後尾につくと、後から後から列を成していく次第。

で、13時と同時につつがなくイベント開始。書店のサイン会だと時間に正確じゃないのなんでなんすかね。

しばらく待って会場に通されると、並んだ提灯を背に関東火鉢の前でキセルをくゆらせる虎走の姉御うすい浅黄色を基調とした室内に先生のファンタジーに胸高鳴らせた文学少年少女たちが並んでいて、ときどき小さな笑い声がこだまする。エルフの森か。そう、少年少女が多かったような記憶があります。ファンタジーってそうあるべきですよね、ほんと。うん。会場の熱の高さってそこから来てたのかなと。まぶしい。まぶしいよ!

そんな会場内には、虎走先生といわさき先生の掛け合いの声がよく通って聞こえてきました。主にとても書けない様な発言が多い虎走先生声が聞こえてきたような気がしますが。サイン後のふくびきで大当たりのサイン色紙がでると、拍手が沸き起こるやさしい空間でした。

すこし話ができて、サインをいただき、がっしり握手されてきました。ひゃっほう。

なんかもう、私にとっては生きてて辛いときに読んで凌いだ本だけに、思いもひとしおですよ。うん。よい1日となりました。自主開催でここに至るまでにはいろいろとあったと想像しますが、ありがたいイベントでした。ありがたや。

で。

Kindle版で読んだのですが、最後のイラストが「?」で、本で読んで判りました。なるほど。電子書籍はこういう工夫を殺すのだな……。

物語の感想としてはアルバスが巨乳になってて驚きました。それにひきかえゼロときたら。

あと、青い鳥文庫虎走かけるの名を目にするのも遠くないような気持ちです。

ではまた。

 

第25回 (タイトルだけで選ぶ)電撃大賞

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今期の電撃大賞の3次まで発表されたので、タイトルだけで大賞、金、銀を選ぶ。以下、めちゃくちゃえらそうに書こう。

 

大賞:渋谷瑞也「つるぎのかなた」

金賞:成瀬唯「鈍感主人公になれない俺の青春」

   木藤そら「戦闘精霊 スカーレット・エクシード」

銀賞:星野小鴨「擬似現実的電脳遊戯恋物語

   橋本哀「ONSTAGE!」

メディアワークス大賞:星火燎原「死にたがりな少女の自殺を邪魔して、遊びに連れて行く話。」

           志馬なにがし「バンソー!」

特別賞:雪林白景「母親がエロラノベ大賞受賞して人生詰んだ」

以上です。

 

大賞はいちばん電撃っぽいタイトルを。カタカナ表記だったら完璧だった。

以下は今風のタイトルから、私がタイトル買いしそうなのを選びました。特別賞のタイトルがすごすぎますな。イラストはぜひ駄菓子で頼む。ファンタジアの「おしっこ」もすごかったですが。あっちは本気だもんな。すげぇ。

3次一覧を眺めて思うに、メディアワークス文庫っぽいタイトルがおおいなぁ、と。今回の電撃大賞は「新文芸」立ち上げのために意図して選んだのかなとゲスパー発動してしまう。たとえば、佐須みおし「江戸陰陽詐欺」はタイトルだけならいますぐ富士見L文庫からでても違和感がない。

いまどきの男の子はラノベ、本を読まないんでしょう。

先の「次に来るマンガ大賞」でも、なんとなくツイッターとかのネット上の論調をみてると女性向けが多い(投票者に女性が多い)との指摘に、消極的同意を抱きました。ラノベで主人公が間接キスでもめてる間に、女の子はTLを読んで距離を開けられてるのかもしれません。TLって10代が読んでるのか。

結果発表は来月の電撃祭で。お楽しみはこれからだ!