ひとつの趣味を終えたはなし

基板と筐体をすべて処分し終えた。動く基板は欲しい人に、動かない基板はそれでも欲しい人に。難物だった筐体は天佑で処分できた。

なので、思い出話を書いて本当に終わりにしよう。

基板に手を出したのは「戦場の狼」が遊びたかったからだ。縦画面であそびたかったからだ。

だからまず最初に筐体をかった。青のコンソレット16。買うならコンソレットと決めていた。でも、ナムコ直営での稼動か、それ以外はリースらしく、なかなか買う機会がなかった。偶然にもゲーメストの広告でデモノを目にするとすぐに買った。たしか送料込みで3万円くらいだったとおもう。コンパネは2レバー、3ボタン。これならだいたいのゲームがプレイできる。当時は格ゲー全盛期だったのだけれど、ナムコは結局ブームの最後まで2D格闘は出さなかった。出たのがアレだったけど。そのあとの「鉄拳」はいまだにフロントランナーなのだから、未来は誰にもわからない。

次は基板。これもまたゲーメストを見て、FAXでカタログを取り寄せたり、電話で問い合わせたり。

そして、行けなくもない基板屋には実際に見に行った。今思い出しても、基板屋の雰囲気は独特だ。店も客も「判っている」のが前提だからだろうか。エアクッションにくるまれて棚に並べられた基板。きまってスチール棚だった。ボタン、レバーなどの消耗品。コンソレットのボタンって、独特の鋭角を持っているので、セイミツと交換するのものためらわれた。なんか、特別で、ナムコ感といえばいいのか。

結局、その行った基板屋で「戦場の狼」を買った。JAMMA変換ハーネス、インストつきで8000円だった。これまた安い。古い基板だとJAMMAじゃないのがねー。これが理由で「スクランブルフォーメーション」はあきらめたんだよなぁ。

コンソレットのいいところは、ステレオスピーカ用のコネクタが引き回してあること。ナムコのシステムI,システムIIなら即ステレオで楽しめる。とおもって、いまググったら、システムIIのステレオ側エッジ用コネクタが今は入手しにくいのね。当時はざっくばらんに売られてた。システムIには基板に直接コネクタがあったのに、システムIIではエッジになったのはなぜだろう。システムIIの基板はそんなに買わなかったので、困らなかったけど、設計思想は気になるところ。今。

戦場の狼」をめちゃくちゃ遊んだ。サービスボタンを連打してクレジットを入れまくった。基板を買って一番楽しかったのは、このクレジット入れまくり遊びかもしれない。

で、コンソレットなのでヘッドホン端子があるので、とうぜんヘッドホンでプレイ。かー、たまりませんな。ヘタでも問題なし。クレジットを入れまくればいいし、「戦場の狼」は先の面なんてないし。連射が自前なのが辛かったくらいか。あといまさらカプコンクラブにはがきも出せないし。

そのあとは基本的にカプコンナムコの基板をぼつぼつと買いそろえていった。80年代ナムコの基板はすでに高価だった。「フォゾン」は安かったか。おもしろいじゃん、「フォゾン」。「リブルラブル」の次じゃなかったらよかったのに。たぶん。「リブルラブル」はずっと高価安定、デモノもなくで買えなかったな。一番安くて68000円だったような記憶がある。CPUの型番かよ。

探しに探してやっと変えたのがコナミの「ミスター五右衛門」。めちゃくちゃ好きで、めちゃくちゃ遊んだのだけれど、あっというまに撤去されてしまった私の中だけでの名作だった。ファミコン版の「がんばれゴエモン」は違うんだよなー。今となってはアケアカで遊べるので問題なし。「ソンソン」も買った。「ソンソン」はなんか、唯一置いてある店(ゲーセンじゃない)が1Pのレバーが左、ボタンが右の逆配置の筐体で、遊びにくくて仕方なかった。あの筐体はいったいなんだったんだろう。あの店の「ソンソン」以外でみたことがない。

そうやって自宅の棚にちょっとづつエアクッションにくるまれた基板が増えていくのが楽しかった。基板は精密部品丸出しですぐに壊れる雰囲気が強くて、それもまた基板を持っているが故の気持ちで、うれしかった。専用ICが多いので壊れると直しようがなく、ジャンクを入手して移植するしかなかった。直ればうれしかった。ROMが壊れたのはどうしようもなかったけど……。合掌。

と、いろいろ楽しかった基板あそびも、いろいろあって、処分しはじめて、ついに全部手放し終わった。これで基板あそびの終了。たのしかったよ。ありがとう。