ミスボド、ハチミツヒミツ

4月も終わりの30日はミスボド第49回でした。次回は50回。しかし、2か月くらい先ですな。

この季節になると、ボードゲームを遊ぶのがすこしだけ恨めしかったりします。こんなに心地よい時期は、一年を通しても一瞬のはずです。我に五月を、とは毎年思うのですが。

今月遊んだゲームは2つだけでした。

  • The GAME

赤ポーンパッケージ。さすが。5枚手札の2枚出しルールで。このゲームのルール調整の幅広さは面白いです。成功したら「運が良かった」、失敗したら「運がなかった」で終わるところも、負担が低いです。「HANABI」なんてもう、ゲーム終了時につらい事件が起こりやすすぎます。

いろいろあって、最終的には3枚残りに。上出来じゃないですかね。協力ゲームだと、あまりダウンタイムを感じないのも満足の理由でしょうか。

しかししかし、なんというか、ゲーム外で甘酸っぱかったです。ハチミツ色。

  • ルール石炭輸送

事前に約束をしてたゲーム。予定通り14:00開始、ゲーム終了が20:30? かな。あきやまさんのかたづけコールが出たころに終わったくらいでしたから。

まずインスト終わりが15時過ぎてた。そこからゲーム開始なのだけれど、とにかくルールが判りづらい。日本語版ルールブック、原典ともにハイパーわかりづらい作りになっていて、一読して得られたすべての情報をゲーム中のフェイズごとに並べ替えて、ルールを再構築する必要がある感じ。

ゲーム内容としてはさほどむつかしくないのだけれど、ルールブックがゲームをむつかしくしている稀有な経験でした。プレイしながら皆で「ああ、この記述はこういう意味なのか」「こういうルールでないとおかしい」「なるほど、その通りだ」などなど、発見の連続でした。ひとつ、致命的勘違いをしていて、ずいぶんゲームが狭くなってしまったので、次回はちゃんと遊びたいものです。

ゲームの紹介としては、時は産業革命前夜。燃料の石炭はルール川を使用して輸送されていたのだけれど、川は急峻で川下に着くころには船内倉庫で石炭同士がぶつかし、こすれあって、粉になったり、小さくなったりと品質が悪くなる一方だったので、川に水門を構築して品質を向上させた史実に基づく。舞台はルール川、エッセン地方なので、ボードゲーマーにはおなじみ。

石炭を輸送すると、開発がすすみ特殊アクションが増えていき、それがまた輸送を効率化して得点を呼び込む構成。拡大再生産がメイン、小さなワーカープレイスメントが手番の基本となる。あとはアクションの実行順がかなり重要。一部の特殊アクションは共通タイルで管理されていて、早い者勝ちなのだ。

で、こーゆーゲームで一番苦手なのが借金だと判っているので、むしろ積極的に借金をしてプレイする方針に。それでも途中で資金不足から再生産が出遅れて、結局は断トツの最下位に。いつもの結果。ちょっとづつ手が悪かったのだと思う。明確に悪い手を取っていないのだけれど、人よりちょっと悪い感じ。積み重なってどうしようもなくなった。あひょー。

石炭三部作の第1作。あと2つ!

  • シンデレラのおしごと

 リッパーさんが「そろそろ(昨年)秋のゲームマーケット新作を遊ばないと」との使命感から「シンデレラのおしごと」を。ルール説明とヌキ作業。あそんでない。アイドルチップをヌイた残りのランナーが温泉地にある顔出し記念写真パネルみたいになって面白かった。

ゲーム内容は、ワーカーをプレイスして、アイドル業から勝利点を得る。アイドルの能力がそれぞれ別れているので、あった仕事をふろう。登場アイドルに周子がいるところに、デザイナーの意図が垣間見えました。幸子いるだろ、このながれならjk。

ルール石炭輸送に時間がとられすぎて、これもあそべず、バロニィも遊べず。また次回。いつかどこかの時間線で。できれば。

あと、今回の参加者数が197人だったかな。四捨五入で200人。いつもの。

ミスボドに続けて2つ、4つ

昨日はミスボド蒲田の日でした。第48回。つまりは満4周年でした。

ざっと4年前を調べてみると、ドイツゲーム大賞と黒ポーンが「村の人生」、ドイツ年間ゲーム大賞(赤ポーン)が「キングダムビルダー」でした。そういえば、そのころはリッパーさんが毎回キングダムビルダーを持ち込まれてて、毎回遊んでたなー、と思い出しました。ミスボド当初は「キングダムビルダー」と「藪の中」を毎回遊んだように記憶しています。そうそう「藪の中」はまだミスボドが始まる前に一度秋山さんと遊んだゲームですな。「藪の中」はすっごい好きなゲームなんですが、遊びこんで「こたえ」が見えちゃうようになって疎遠に……。

ひいて4年間、ずっと遊んでるゲームといえば「ドミニオン」でした。今回も拡張すべてを持ち込んだのですが、終日遊ばれてたようでした。よかったよかった。インストがいらないゲームではないかと。あと「キングダムビルダー」前年のゲーム大賞「世界の七不思議」も遊ばれてました。息の長いゲームだー。遊ぼう「ドミニオン」。「Empires」にも期待が募る。

そして6月には50回。カルカソンヌ大会予選もあるよ!

 

いつものように遊んだゲームをざっと紹介。

 

ドミニオン

開場と同時に4人集まりドミニオンへ。インスト不要で連続2ゲーム。

1ゲーム目は労働者の村、研究所がそろったサプライで引ききりゲーに。たしか7点で最下位。

2ゲーム目は海賊船、宰相、広場、不正利得。呪いを仰山いただいてマイナス点で最下位。

宝の地図なんて夢や!

 

・ティカル

最近、ブラインドオークションで「ティカル」を落札したおじさんがルールブック読まなくて済むように、との願いを込めてルールをしってるイワイシさんインストでプレイ。ルールとしては、遺跡調査団の利権争いは斯くも過酷なのだ! というサツバツさ。みんなで吉村作治を目指そう。

結局、火山タイルを引き当てるわ(「あー火山クサイ」と予告して引き当てたのだからキモい)、空白地タイルばっかりくるわで、いいとこなし。マスターキートンが言ってるように発掘とは運ゲーなのだ! 勝者はぶっちぎりでイワイシさんでした。インスト勝ち、手順ゲー、運ゲーじゃねーか! ふざkねな!(いい意味で、と書き添えると許される美しい日本語)

 

・モダンアート

最後に日本語版モダンアートを。スクリーンの裏のアイコン説明が日本語化なのかな。コインがそろっているので遊びやすいです(評価のハードルが低い)。

ルール説明を済ませて、最初のラウンドは1手番ごとに状況を説明しながらプレイ。オークショニアになれること、値付けのなやましさ、ゲームとはいえ金のやり取りで生じる葛藤などなどが面白い有名ゲームなんですが、最初のころは値付けが具体的じゃないからわかりづらいんですよねー。

今回は1ラウンド、2ラウンドとライトメタルが大ブームに。すでに世界から消え去ったと思われたライトメタルであったが、最終ラウンドで秘蔵の1枚が発見されて、それが3位に滑り込んだところがハイライト。

350点くらいで最下位。

 

あれ? 全ゲームで最下位じゃね?

ネトゲの嫁は(以下略 雑感

今期のアニメは「ネトゲの嫁」を。原作は2巻まで。今時珍しい、メインヒロインがずっとカバーイラストを務めるシリーズ。いろいろガードが甘いヒロイン。

 

ハレのSAO、ケのネトゲ嫁というところでしょうか。「わかる」「あるある」がネトゲ嫁の楽しみ方でしょうね。ルシアン、リア充だけどな!

あと、書店で配布しているブックレットに作者、挿絵、漫画担当の作家さんの直筆メッセージが掲載されているのだけれど、聴猫の字が超絶ヘタ。字が仕事道具なのに、絶望的に下手なのが印象的だった。他の二方は絵を描くためだろうか、手書き文字もしっかりデザインされていて読みやすい。この逆転現象(?)のような結果が興味深く、考察を刺激されて面白かった。

なんとかオンラインについて雑感オンライン

ここしばらく「○○オンライン」系を立て続けに読んだので、その雑感を。

読んだのを挙げる。

  1. スクールライブ・オンライン 木野裕喜
  2. ウォーエルフ・オンライン 長物守
  3. ガンズバースト・オンライン 星崎梓
  4. ソードアート・オンラインオルタナティブ ガンゲイル・オンライン サードスクワッドジャム ビトレイヤーズ・チョイス(上) しぐさわ

雨蛙ミドリ「オンライン!」も入れれば完璧である。なにがかは判らない。

まずそれぞれを手に取った理由を述べる。

  1. タイトルが好みだった。以後SLO
  2. 「中古でも恋がしたい!」の新刊を買いにいったら横にあったから。以後WEO
  3. ガンゲイルオンラインを買いに入ったら目に入ったから。以後GBO
  4. SAOを読んでいたから。以後「SIGO」

まず、なんとかオンライン、というタイトルが好きなのだ。目に付くと読むようにはしてるつもり。ただしアリシゼーション編はずいぶん読んでないが。終わったら起こしてくれ。

ビデオゲームが大好きで、だが、オンラインゲームは経験が皆無。これはもう、単に時代の問題だと思い込んでいる。たぶん最初に遊んだのはウルティマオンラインだとは思うのだけれど、あまりに思ってたのと違ったのですぐやめた。

という、忸怩たる思いも手伝って、オンラインゲームが舞台のライトノベルは好みだ。読み終わって「こんなゲームで遊びたい!」と思いたいし、すぐさま、なにかオンラインゲームをはじめたいと思いたい。SAOはそこが秀逸で徹頭徹尾、ゲームだ。パラメータの話だったり、硬直時間、スキル、ゲーム中の会話などなど。デスゲームではあるのだけれど、犠牲者がゼロ、全員クリアの可能性がある。大体のデスゲームは生き残るのが一人だったり、ルールがPKだったり、主催者側がPKかけてきたりと、あまり楽しいとは思えないのが多い(コロコロアニキにもデスゲームまんがが2つ連載されているのがとても違和感がある)。この手の嚆矢は高見公春「バトル・ロワイヤル」だろう。あの時は選者の寸評に「面白いが世に出すのははばかれる」とあったのだけれど、今となっては隔世の感がある。ヤンマガ、すげーな、おい。

この中でSLOだけはフルダイブMMOではない。ヘッドマウントディスプレイに表示されたグラフィックを見てプレイしている。ただし操作は脳直だ。他の3作はフルダイブなのでもはや現実である。岡島二人「クラインの壷」を思い出させる。

このデバイスの違いは作中のダメージに対する表記の違いとなる。SLOではほぼ数値のやり取りとなる。川原礫アクセルワールド」のHPゲージのやり取りに近い。あくまでゲームだ。死にがえりも選択肢の1つとなる。また、登場人物たちがこのゲームをプレイする理由も用意されている。

WEOとGBOは設定がよく似ていた。主人公には事故で意識不明となった妹がおり、VRMMO世界で彼女に会うために戦う。ゲーム世界の敵も同じような存在だった。残念なことに、設定が整理されないまま物語が進んでいくため楽しめなかったところも同じだ。プレイする理由としては悲壮感が漂い、強力なのだけれど、それだけに主人公がただただ強力なパラメータと武器だけで勝利していく展開との相反する雰囲気が最後までなじまなかった。正直途中で「今日泊亜蘭かよ!」と口をついた。また、この2作はまったくゲームであることを感じさせない点も似ていた。

 SIGOは作者の愛の粉塵で何も見えない。毎回毎回おんなじ内容。なぜ読むのかと考えると、これはリプレイなのだと気づかされる。TRPGのセッションリプレイのように楽しめるのだ。リプレイであるため、ゲームであることを忘れていない。ソースとなるGGOのルール、設定を正確に踏襲している。別件だが2色挿絵がどんどん黒くなっていくのだが怖い。

WEOとGBOはどちらも医療としてフルダイブを扱っていたのも象徴的だ。SAO「マザーズロザリオ」のように、フルダイブ技術が医療用を中心として発展するのだろうと想像はできる。SAOだとハードウェアの変遷、技術的裏づけ、ゲームとしての仕様などなど、コンピュータシステム構築の経験、作り手側の経験があるように見えるのだけれど、WEOとGBOはプレイヤー側の経験のみに見えたのも、いまひとつ世界の厚みが感じられない理由。樋口司「ダブルアクセス」を思い出すなぁ。

ゲーム小説、リプレイとしてみると聴猫芝居「ネトゲの嫁~」金田一蓮十郎「ゆうべはお楽しみでしたね」も面白い。プレイヤー側経験から書くのであれば、ゲームのある暮らしをテーマにしたほうがいいんじゃないかなぁ。無理して作者に経験のないデスゲームにしても、砂上の楼閣の屋上屋で終わってるようなのが多いのが残念。なのだけれども、これからも読み続けるのでしょう──。

まつだは「ヒルデさん」の新刊を楽しみにしています。課金はまったくしませんが。

電撃祭2016春のはなし。

昨日は秋葉原の電撃祭に。最後の新作ステージに当選したので。毎回、この最後のステージだけ当たるのだけれど、応募が少ないんだろうか。それにしてもここだけよくあたるのだが。なぜだ。

前回の秋は作家と編集の秘密ステージなんておもしろい企画があったんですが、今回はそれもなし。作家色紙展示もなし。どうやって秋山瑞人の存在を確認すればいいのか。物販ブースでのイリヤのバッヂが光る。涙で。私はあたらなかったので余計に。

参加できたステージの内容は毎度おなじみのうぇぶらじをそのままお届け感。今回はなぜかおかゆまさきさんが不在でしたが。なぜだ。当日発表された、直前に発表された内容をおさらいするコーナー、つまりは超告知ステージ。三木編集長がその権限を生かしてばんばん告知しちゃうよ、というアレです。

このステージでの一番の情報は707テムジンのモデリングデータがVITA上で再生できたことですね。「とあるバーチャロン」の企画紹介で亙Pが出演されてしれっと資料中のスクリーンショットにみたことのないコロシアムにたつテムジンの映像があったので、ラノベ用素材化と思ったら、実記検証素材だとわかって驚きです。携帯機でネット対戦が実現するのも遠くないのかもしれない。でもなー、VITAだとツインスティックにならんもんなー。いまだにPS2のOMGで改造ツインスティックで遊んでいる身としては、やはりツインスティックに思い入れが。いっそHMDに対応してほしいところ。

以下、小さいネタを。

  • 「劣等性」の「達也は伝説になる」は三木編集長がでっちあげた惹句
  • 新人賞5作のうち2作は重版がかかった。残酷である。
  • エロマンガ先生」の柏田プロデューサーが「京都アニメーションが」といってはならない名称をつぶやく。たぶん、後から怒られる系。
  • マサムネ役は未決。主役なのに。
  • 「課金の力です!」はSEGAのせりふではない。
  • 電子書籍には負けないぜ!」。三木編集長のひとこと。重い。
  • 禁書3期の話題はなし。土下座もなし。

くらいかな。当然ではあるのだけれど、これから出版予定の衝撃情報はなし。秋山の新刊どうなるんだ(しつこい)。

アニメ情報につづいて原作紹介がされたりと、ほんと、読まれてないんだなとまた律儀に思った次第。SAO、エロマンガ先生くらいだと読まれているのだけれど、アルデラミンはそんな雰囲気がなかったな。どこまでアニメ化するのやら。いっそ(以下略)

ここ最近楽しみなのが、ACゲームの「電撃FC」のファイティングガールズ。今回遠めに見た限りでは相当強くなってた。結成当初は格闘ゲームの経験値皆無っぽかったのに、確実に強くなってる。仕事だからいろいろあるんだろうけど、こういう場を提供、選択肢を提供できる電撃、メディアワークスの貢献、というか、ほんとに新しいこと、楽しいことを探しているんだとわかる姿勢が大好きです。かくいう私はVITAでぼつぼつ遊び始めたところですが。

とこんなところですか。

ライトノベルの地層

今期のアニメは「最弱無敗のバハムート」を見てます。安心の石鹸枠。以前、京極夏彦が「不可解な現象に名前をつけるのが妖怪の役目」といわれていたのを思い出します。ああいうアニメを「石鹸」と名づけたのは便利ですね。「星刻のドラグナー」は死して石鹸を残す。

「バハムート」を見て感じるのは、いま自分は歴史を体感していて(いわゆる時代と寝た体感か)後年、今をどう名づけるのだろうという疑問です。2014年くらいから「小説家になろう」系の異世界チーハム無双の出版が珍しくなくなり、2015年はもはや売れるのは電撃かなろうになったような錯覚まで感じました。

ライトノベルの歴史、地層として今を名づけるのなら「なろう」時代となるのか、それとも「石鹸」時代か。この石鹸枠なのですが、私としては「ISコピー」枠なので「IS」時代と名づけても違和感がありません。

女の子だけが戦闘用能力を獲得する世界で主人公だけが男でありながらその力を持つ。そしてその力は若年層のみが得ているため、大人は物語にほとんど出てこない、出てきても敵となる。物語の舞台は若年層ゆえに学校になる。

いわゆる「テンプレ」ラノベフレームワークですが、アニメ化しやすさだったり、もともとアニメ化企画として出版されたりと事情はいろいろあるとは推察します。

売れたのをアニメ化するのではなくて、売るためにアニメ化すると前後が逆になった時間が流れて久しいです。「ハルヒ」がアニメ化されて今年で10年ですか。ゼロ年代は「ハルヒ」の時代だったのでしょう。ライトノベルの地層としては「ハルヒ」時代。妙な部活のラノベが多かったです。

それらは息絶え10年代は「IS」時代となるのか。当然ですが過ぎてからでないとわからないです。

まつだはカクヨムを応援しています。

さらば「乙女な王子と魔獣騎士」。

あきらめるんだ。「乙女な王子と魔獣騎士」の続きはもうでないんだ。

ツイッターで作者ご本人が「3巻かきたい」とつぶやかれていたので、悲しい気持ちになった。ついにラノベは2冊できられる時代になったのか。2冊できるのはスニーカーだけじゃなかったんだ。

確かに2巻は2巻だった。大きな話がはじまるとしたら次からだろう。なのにそこまで届かなかった悲しみ。新人が2巻で重版かからないと続きがかけないとしたら、3次を救う意味ってあるのか、とは思う。

確定なんかなー。続き、読みたいなぁ。今公開されている短編と電撃文庫マガジンの短編を集めたら1冊にならんかな。無理か。