3月のミスボド

キリ番踏んだらカキコヨロ。

2018/3/24はミスボドでした。大田区民センターでは最後の開催とあいなりました。天地人が揃ったようなミスボドの始まりだったように思い出してました。

終わってからのこの1週間は、珍しい思い出でも披露したほうが記念碑的には正解なのかと考えてました。

ミスボド主催のあきやまさんと初めてアナログゲームを遊んだのは、とあるミステリ系イベントの二次会の宴席だったでしょうか。遊んだゲームは「藪の中」。当時発売されたばかりだったような気がします(調べない)。ちょいとルール理解をミスってしまいゲームが冗長になったのも今となってはいい思い出といえば許されるはず。

ま、そんなところでしょうかね。あの「藪の中」発売当時のバッシングもあわせて思い出して奇妙な気持ちになりました。

それはともかく。

ミスボドは、大人数であることよりも、部屋がたくさん使えたことが楽しかったのです。部屋ごとに雰囲気が別れていたこと。それが楽しかったのです。

人狼部屋。ポーカー部屋。重ゲ部屋。初心者卓。受付。ボードゲーム置き場。

あれだけの卓と椅子があったのに、それでも足りなかったこと。

ああ、楽しかったな。

ま、来月も開催されるんですけどね。

では、また。

ともかく「ライアーバード」を読め。

脇田茜「ライアーバード」の4巻がでた。完結巻だ。全4巻。いっき読みに最適なので、この機会にぜひ読んでほしい。

たぶん、一気に読んだらごっそりHPをもってかれると思うけど。

雑なあらすじは、京都を舞台にした、音が見える共感覚の少女コトと、自分を裏切った過去のすべてをすてさり、京都とギターに逃げ込んだ少年ヨタカとの出会いと衝突と音楽の物語です。

共感覚から音が見え、また加えて耳がよく、一度きいた音楽は、たとえその演奏がひどいものであってもギターであれば再現できる才能を持つ少女、コト。だけれども親に捨てられたため、ひどく幼稚で感情を制御できず、言葉よりも先に手足が動いてしまうため、社会の中ではなにをやってもうまくいかなず、自信がない。

一方のヨタカは過去に離婚した両親から捨てられ、音楽で出会った仲間からも捨てられ、それゆえに誰も信用せず、社会に期待をしていない。そのさめた態度と裏腹になぜかほっとけない雰囲気からか人に恵まれ、バイトとバンドと社会生活には問題がない。

偶然であったふたりが交わすのは「あいつは自分がほしいものを全部持っている」という、身勝手さからの衝突だった。

しかし、ヨタカのギターにコトの歌声をのせる楽しさを知った2人は音楽を通じて、自分を理解し、お互いを必要としていくのだが、そこに過去にヨタカをうらぎったバンドメンバーのカホトが現れる。

カホトのバンド「ベンヌ」の音に魅了され、その音を自分の声で服従させる喜びを知ったコトは。

というところまでが最終回手前くらいまでのあらすじですかね。

でも、この漫画を、こんな雑なあらすじくらいで読んだ気になってほしくない。

音が見える。

ただこれを見せるためだけに、作者がHPを削って、篭めて絵を描いているのだから。とにかく読んでほしい。

いろんな形で、矩形で、羽で、円で、多角形で、シロとクロで、ページいっぱいに「音」を書き尽くしている。繰り返されるそんなページたちからはもっと描ける、こんなんじゃない、見えている音は、見せたい音はこれじゃない、そんな悔しさも見て取れる。

そんな圧倒的熱量に圧倒されてほしい。でも、だから、いっき読みだとHPをごっそり持っていかれるだろう。それも心地いいけど。そして完結したいまなら、いっき読みしたときに、「それ」に気づいて、またぞっとするだろう。

 

全4巻。

かかれているのは一瞬の出来事。

テーマソングはビートルズの「ブラックバード」。

傷ついたブラックバードはそれでも、あきらめず、折れた翼で飛ぼうとするのだ。

www.youtube.com

で。以下、ネタバレみたいなもの。

最終回なんだけど「東京にでて1年がたちました」と一文が入るんだけど、単行本だとそれがないんすよね。だから最終回がちょっとわかりにくいような気もした(ちっさく日記中に記載があるけれど)。最終回のカラーページはよりよく収録されている。これがもう胸を打つんだ。カーテンコールのようなカバー下も楽しい。

これで終わり。全部終わり。

「電撃 感謝祭2018」で余計なことを考えてた。

このあいだの土曜日が「ゲームの電撃 感謝祭2018 ついでに電撃文庫」に行きました。楽しかったのですが。

事前応募のチャリティチケットに当選したんですけど、10時開始のイベントで9時集合とのこと。当日は暖かいと予報がでてたのにめっちゃ寒いし。

9時少し前に会場のベルサール秋葉原についてみるともうめっちゃ並んでいる。んがしかしチャリティチケット当選者はなんとなく会場かどでたむろしている雰囲気。で、9時少し前から当選組が入場待機列形成。物販2列とそれ以外組の3列待機。私は11時からの電撃文庫新作ステージの優先入場希望だったのですけれど、あーちがうのか、これ、と天を仰いでいたのですが、その以外組がさらに1Fのゲーム試遊、2Fの試遊、そして地下のイベントステージと3列に分けられたので安心しました。9時集合で11時のイベントに参加する狂人は6人でした。くるっとる。事前情報なしですからね。「豪華ゲスト!」とだけ。待機列でさて豪華ゲストは誰だとみなで話しこんでいたんですけどね。私としては作家先生がゲストならうれしいなぁとだけ思ってました。

で、イベントが始まる。最近のイベントはネット中継があるから開始時刻が正確になりましたな。

まず最初は「ストライク・ザ・ブラッド」OVA第3期。豪華ゲストは種田梨沙さんと日高里菜さん。まぁ、三雲先生は無理ですな。

「進路相談で剣巫って答えたら怒られた。人類を救う大切なお仕事なのに……」などとOVA3期の紹介中の種田梨沙さんを見ながら「あー、上の出展に藤商事がいたなー」と別のことを考えてました。

3月に楽曲追加と事前告知があってうっすく期待していたら、案の定裏切られて「フェアリーテイル」の楽曲販売開始とか。ちがうだろ「零式純情TURNING!」を販売してくれ、と。他のも全部。最悪「エフるっ!」だけでもいい。静止画素材もできれば販売してほしい。あと大当たり中のムービーもほしい。これも「エフるっ!」だけでもいい。検定釘問題をあんな風に回避するとはさすがだね、2分の1でTY1400なのもサイコーだし、ST100回100%なのも神台すぎる。保留8個もいい。TY中は電チュー、低確率時はサポートなしでいいじゃん。理にかなってる。ただ電チューの戻しが1個なのはTY400のときに辛すぎる。流行りだけど。加えて機械としては大型液晶じゃなくて、小型2つで部材を調達しやすくしたのも巧い。枠も藤商事のこれまでのが使えるのもいい設計だ。ここまでそろってるのに5000台限定なのが悔やまれるほどの巧さなんだよなぁ。いや、それよりも楽曲販売をなぜしない。半年すぎたんだから、いいじゃないか。曲が販売されても打つからさー。大当たり中でフルコーラス聞けないし。昨年は赤字決算だったんだし、ちょっとでも売りが立つなら楽曲販売しませんかね。景品にサントラを出してくれるだけでもうれしいんですが、いかがでしょうか。

展示でアンケートがあればそんなことを書きたかったのですが「23/7」では試遊だけでした。ぷっちょありがとう。うれしかったです。楽曲販売してくれるともっとうれしいです(しつこい)。

続いて「青春ブタ野郎」のアニメ化発表。これは原作の鴨志田先生が登壇。「Just Because!」も舞台は鎌倉でしたよねー。とか。やっぱり原作者に登壇してほしいとつくづく思いました。アニメが楽しみです。

んでもって、当日の目玉「ブギーポップ」の新作アニメ。これは田中プロデューサと悠木碧さんと大西沙織さんが登壇。いやいやPVがアツすぎるでしょ。スマホを使っていたのが印象的でした。作中時間は現在なのか。なお、このPVはテレビアニメと関係がないそうです。なんじゃそりゃ。そのあとネット上でこれを引き金として、他にもあるだろアニメ化議論が沸きあがって、インターネット老人会みたいになってて楽しかったです。「EGコンバット」は死んだんだ。

ブギーポップ」は個々最近は年1冊新刊が出ていたので、まだ現役なわけで、他のアニメ希望されてるのとは事情が異なるような気もする。先にアニメ化された「キノ」もまだ新刊がでてるわけだし。そういえば新「キノ」もキノ役が悠木碧さんでしたな。この調子で「イリヤ」も頼む。

と思っていたら、最後にまとめて商品紹介の中に「イリヤ」のブルーレイが。和田編集長いわく「ボックスになるかはわかりません」とのことでしたが期待してます。「生きてます」の一文でもいいです。またもやインターネット老人会のネタですかね、これは。

途中で、電撃文庫25周年、ブギーポップ20周年、電撃20周年記念アニメは「ストライク・ザ・ブラッド」だったと説明があったり。昨年は「電撃」25周年。つまりあの「コミックコンプ」騒動から25年であり以下略。

と1時間とは思えないステージで楽しかったです。またあたるとうれしいなぁ。楽曲販売してくれるともっとうれしいなぁ。

「君に恋をしただけじゃ、何も変わらないはずだった」が期待通りだった。

期待していた、筏田かつら「君に恋をしただけじゃ、何も変わらないはずだった」が期待通りだった。こういうのはとてもうれしい。うれしいので駄文を書く。

あらすじは、前作でお邪魔モノというか「ライバルが出てきて自分の気持ちに気づくって結構ベタだけどね」(ゆうべはお楽しみでしたね)のような登場人物だった、磯貝久美子がヒロインのラブコメ。舞台は広島。お前にそんなにリセット願望があったのか。

期待通りというのは、前作同様ラストシーンで「なにやってんだよ! てめー! 走れよ!」と主人公の柏原くんにいらだったこと。

ブコメって、神の視点で読むんですよね。答えがわかってるから、登場人物たちの関係性を見ていらだてる。登場人物からしてみれば、結果なんて知らないから、結果を知りたいから、知りたくないからなんてのが物語なわけですし。「からかい上手の高木さん」だって第1話で答えが出てるから、楽しめるわけで。いや、お前勝ち確定だから、さっさといけよ! とやきもきできるのが楽しいわけですよ、ラブコメ

今回は期待しているゴールはあるんだけれど、登場人物たちの関係がそれを許さない。えー。これって破滅しかないじゃんと思ったら、最後にはぱちんぱちんとそれぞれが収まる。その安心感。舞台が広島だったので、血で血を洗う構想の可能性すらあったわけですし。いろいろ途中は怖いんですけど、最後のまとめ方が明るくって、読後感が心地いいんですよ、ほんと。

で、その精一杯かっこつけたかった最終章のその次のエピローグが、やっぱり女の子ってずるいなー、とつくづく思ったわけです。やっぱりですよ、やっぱり。あと、自分の中で途中から柏原くんが完全にラーメンズ片桐だったので、最後の最後で裏切られた感じでした。お前、モテる奴やんけ。裏切り者め。口絵のキャラクター表なんて完全に忘れとったわ。いや、お前、絶対モテる奴やんけ。あと、細かいところでは「お好み焼き」と書かれていたことでしょうか。ここ大切です。

あとがきを読むと、もうひとりぶん外伝が出る予感ですので、これまた期待。

こがらし輪音「この空の上で、いつまでも君を待っている」が好きだ。

f:id:tiisanaoppai:20171001134636j:plain

こがらし輪音「この空の上で、いつまでも君を待っている」を読み終わった。ここ最近で一番好みで、一番泣けた一冊となった。

昨年秋の電撃祭での発表された、第24回の大賞受賞作だった。タイトルとそこにあったあらすじを読んだだけで、大好物の物語だと直感できた。読めるのが待ち遠しかった。

あらすじとしては、夏休み前に偶然にロケットを作っている少年とであった少女が、その夢と情熱に打ち抜かれる、ガールミーツボーイものだ。少女の観点から書かれるので、これはガールミーツボーイなのではないかと。そんなジャンルあるのか知らんが。

先に述べたように、まず第一にとにかくタイトルがよかったのだ。彼女から見れば、少年は「ガラクタの王」なんてかっこわるいものでしかない。それでも王、彼女にとってはそう見えたのだし、それを賛辞と受け取る少年との関係性もあこがれるほどに愛らしいではないか。

んがしかし、改題。そのタイトルも作中に出てくる、重要な言葉ではあるのだけれども、あまりにもかっこつけすぎじゃないか。そんなかっこよさなんて少年は求めていなかったんじゃないか。そういう意味ででてくる言葉じゃないし、そんなあきらめじみたかっこよさなんて、まったくこの物語には似合ってないじゃないか。

メディアワークス文庫から出すから仕方なかったのか。

と、改題は残念だったけれども期待通りだった。ひとなつの、人生を変えちゃう出会いと別れの物語。不穏な最終章から、一転する長いエピローグともう涙が止まらなかった。まるで、期待したけどなにもなかった夏休みが終わった残暑の9月の学校からの帰り道で背を丸めてとぼとぼ歩いていると、突然背中をちからいっぱい叩かれて、元気ねーな! と期待通りの彼女の声がしたうれしさのような、長いエピローグが、本当に、本当にうれしくて、きもちよくて、ライトノベルだからこそできる終わるかただった。昨年の「86」でも思ったけれど、こういう終わり方ができるからライトノベルの価値があるんだ。

2回読むと、懐かしいアルバムをめくるような気持ちで、もうしょっぱなから泣けた。ああ、そんなことがあったなぁ、と、自分の思い出のように身近に感じられて。

こういう「エモい」物語は今となっては2本立ての電撃文庫としてはメディアワークス文庫から出すべきなんだろうけど、やっぱり、元のタイトルのまま、少年向けとして電撃文庫から出してほしかったなぁ、なんて思う。売れるのはメディアワークス文庫なんだろうけどさー。

というわけで、これを読み終わった私は、書棚の「ほうかごのロケッティア」(大樹連司 ガガガ文庫)の隣に並べましたとさ。

その隣には「ひとりぼっちのソユーズ」(七瀬夏扉 富士見L文庫)が並んでます。

つまりはそういうことなのです。

project:rPSG / 『feature in the past』を買ったよ、聴いたよ、の段。

先日のゲーム音楽ショウにはいけなかったものの、唯一通販で買えた「project:rPSG / 『feature in the past』」が早速届いてうれしかったので聴き倒した。以下、その感想とか、思ったこととか、いろいろ。

まず、PSGアルバムと聞いて、勝手にプリセット+モノラル3音+ノイズだと思い込んでいたんですけれど、しっかり楽器のPSGでした。
架空のRPGをテーマにしたアルバムなのですが、ゲームがでっちあげられる可能性があるかも。機材がSN76489ならSGDKででっちあげられる可能性が微レ存。「ケルナグール」の例もありますし。期待してます。
以下、簡単な曲ごとの感想。

 

第一楽章
#1 しょっぱなからかっこいい! ドラムパートだけのところとかとにかくかっこいい! スタイリッシュ&バイオレンス魔王様。
#2 魔王城へ向かう勇者一行の印象。始まりは天界からみたいで、1曲で最終章全部のよう。
#3 対魔王戦のような曲。勇者パーティひとりひとりのテーマ曲をあつめて一曲みたい。
#4 他とは違って魔王側の曲かな。魔王側にも正義があって、勇者一行のそれとぶつかってる印象。勝利も絶対ではないと思わせる終わり方も印象的。

 

第二楽章 全力パラメータいじり。「すげぇ!」しか言葉がないですが。
#1 チュートリアルですよー、考える時間ですよー、と教えられるような始まり。その後の勇ましいフィールド曲はゲーム中ずーっと聞いていても楽しそう。全体的に第一楽章と違ってきっついリバーブ(?)が印象的。
#2 なんだろう、この曲だけひときわ強い音圧を感じる。トータルレベルが高いのかなぁ。それともゆっくりとしたテンポだからかな。音色のやさしさとかとあいまって、いいイベントだったなー、とゲーム後から思い出しそう。
#3 高音と低音で始まる旅立ち感! ゲーム終盤いりぐちくらいのイベントが続くような感じ。途中の戦闘曲がかっこいい。完全に勇者側のターンと思わせる。
#4 高音をつまびく不思議な始まり。ゲーム中に1回しか流れないよね、これ。続くのは休符の使い方、途中1音だけなどが印象的な不思議な曲からの、最後はシューティングゲームだよねこれ。あっというまの疾走感。そういえば、効果音があるのはこの曲くらいかな。インタビューで「曲を捨てる」と話されてましたけど、効果音はもっともっと捨てられてるんだろうなぁ。

 

第三楽章 ボーナストラック。
#1 エンディングテーマなのかな。派手。好み。
#2 罠感あるわー(唐突なポプテピピック)。
#3 PSGでこれを出せちゃうのかー。驚き。タイトーで爆発音ばっかり作ってた人の話を思い出した。
#4 タイムリミット感あるわー。最後は失敗しちゃったのかな?! えー。

 

という感じでした。次は行きたいものです。

「とある魔術の電脳戦機」を買ったけれど、プレイまでが遠い話。

とある魔術の電脳戦機」がついに発売された。うちの「バトルガレッガ」と「弾銃フィーバロン」しか使ってないPS4Proでやっとその機能を使うゲームを買ったような気がする。

バーチャロンは特殊なファン層を持つゲームだ。シリーズ全体は当然通してプレイしているのだが、シリーズ作それぞれに固有のファンがいる。つまり私は「OMG」のファンだ。

したがって、以下にOMGの思い出をつづってしばらく姿を消そうと思うんだ。たぶん。

そのときわたしは大阪にいた。初めて「バーチャロン」を見たのは京橋のダイエーだったように思う。当時は毎日京橋のゲームセンター「グランシャトー」に通っていたので、そのついでに寄ったダイエーで見たのだろう。グランシャトーバーチャロンがあった記憶がないし。そういえば当時のグランシャトーカプコンロケテとして使われていて、結局発売されなかったゲームもけっこう遊んだ。これまた記憶と印象では、あのころの大阪のゲーセンといえば、グランシャトーに加えて、江坂のネオジオランド、日本橋フェラーリ、難波のアビオンとアムザあたりが有名だった。よしもとアミュージアムはもすこしあとかな?(記憶)

閑話休題(ボブネミミッミ)。

ダイエーにあったのは専用筐体版だった。とはいえ当時エアロシティ版はみなかったような気もする。

対戦ゲームだったけれど、筐体が横に並べておかれていたために知らない人と対戦することはなく、友人と遊び続けていた。そいつはいつもフェイ・イェン、わたしはテムジンだった。当時の私にはテムジンの名前の印象がよくなかった。テムジンといえば「餓狼伝説」だったからだ。かっこわるいんだよ、餓狼伝説のテムジン。「テムジン」は「龍虎の拳」でした。あやまり。なお、論旨は誤りではないため、異論は認める。

最初の1ヶ月くらいは画面になにが表示されているのかさっぱりわからなかった。ツインスティックはサイコーだった。これぞ想像していたけれど、具体的に思い描けなかったロボットゲームだと感激した。相変わらず意味もなくダッシュしては相手を見失い、ダッシュLウェポンをはずして硬直してたりした。ジャンプキャンセルでエイミング(当然この言葉は当時知らなかった)して、前ビを打ち込む。友人もおなじくらいヘタだったので、勝ったり負けたりだった。たしか1プレイ100円だったはず。環状線で行った先の天満のゲーセンで「バーチャファイター」が200円だったのを高いと思ったので、たぶんこの記憶はあってるのが濃厚だと信じてる。

そのうちに目が慣れてきて、ウェポン残量が理解でき、ロックオンが見えるようになり、相手との距離表示が読み取れ、ダッシュ旋回ができるようになっていった。とはいえ、ふたりで技術を探しながらだったので、先頭集団からは遠くおかれていた。ふたりで遊び疲れると、グランシャトーで友達を集めて「ギャラクシアン3 シアター6版」を遊んだ。今思い返せば贅沢な環境である。ギャラクシアン3が遊べたんだよ。すげーよ。日本に何件あったんだ、そんなゲーセン。

で、話を戻して、前述のなぜ先頭集団がいるとわかったのか。

当時難波のゲーセン「アビオン」が先頭集団の巣窟だったからだ(この辺はPS2版バーチャロンOMG取説の学生ドルカスさんの一文が詳しい。というか、私も実情はそれでしった)。

たしか、アビオンはサイドモニターがなかったような気がする。なんどかいった記憶があるけれど、プレイはしなかった。後ろからスパってるだけで、次元が違うとわかったからだ。CWキャンセルはここで教えてもらった。いろんなテクがあった。移動し続け、位置取りをし、必中のタイミングを探すゲームだと気づかされた。それまでの友人との対戦は、ロボットに乗ってる感じだったのだけれど、ここでは「バーチャロン」が遊ばれていたように感じた。

とにかくめっちゃキャンセルができる。できる機体とできない機体があるにせよ、機体特性は熟知しなければまずスタート地点に至らない。パソコン通信で情報交換があったようだけれど、私には見つけられなかったのが悔やまれる(シーラカンスカンパニー、東京がらくた工房ではバーチャロンのトピは目にした記憶がない)。

その後も遊び続けた。しかし、諸事情で大阪を離れてしまい、そこでゲーセンでのバーチャロン経験はおわった。サターン版もスティック込みで買ったけれど、なんとなく残念だった。その影響で「オラタン」はぜんぜん遊ばなかった。「4」はそこそこ遊んだけれど、2対2がなじめなかった(現在の「ガンダムVSガンダム」をみるにほんとにセガは10年早いな)。「マーズ」は……。なんとなく。これまでになく遊びやすかったけど。

で、時間は流れて。2007年。PS2でOMGが発売された。発売日に買って、コントローラーじゃ遊びにくい、とわかっていたことを確認した。しかたないのでサターン版ツインスティックをPS2用にした。

サイコーだった。今でも遊んでいる。そしてなにより取説がすごかった。いまだに読み返す。熱量が高すぎる。そこにあるのは思い出話じゃなかった。胸が熱くなった。

その次が2015年秋の電撃祭での「とある」とのコラボレーション小説発表(たぶん)。亙Pも壇上にたったこのイベントときすでにVita版で表示した707テムジンの静止画が公開された。期待は募る。このときイベント観覧に当選したので現場にいた。

次が2016年の秋2017春の電撃祭(あやまり。2016年は文庫版発売だから当然だ。アホか、私は。余談ながら「とあるバーチャロン」は「このラノ2017」で47位)。ゲーム化発表(たぶん)。つーか、亙Pがツイッターで「これから会場に向かいます」とつぶやいてて、イベント側では「シークレットゲスト」扱いだったのにしっちゃかめっちゃかでサイコーだった。このときもイベント観覧に当選したので現場にいた。

で。今年。というか、この間。電撃のゲームイベントに当選したので、喜び勇んで参加した。そのとき。イベント会場から試遊会場へ移動しているときだった。偶然、なぜか、ひとりで歩かれてる亙Pを目にしてしまった。ほんとにびっくりしてしまった。不躾にもその場で握手をお願いしてしまった。快く握手してくださり感謝しかなかった。いやもうほんと、なんというか、あの時、京橋のダイエーから続いていた何かがここに到着したような気分だった。当時の自分に教えてやりたかった。ずっとバーチャロンを遊び続けているし、偶然にも亙Pに会えるんだよ、と。

PS4は限定版を買ったので、まずは全部よまんとなー。プレイするまでがとおすぎるんじゃないですかね、これ。奥成Pと堀井社長のPS2版の開発秘話がこれまたすごい熱量で「とある」を始める前にまたPS2版を遊んでしまった(MODEL2のDSPの話を読んで、SEGAAGESスペハリのサブCPUの話を思い出した)。これではいつまでたってもプレイできそうにない。

Vita版はダウンロードで。原作小説からするとVitaが本筋なんじゃないですかね。

外で遊べるバーチャロン

いつの日かバーチャロンを外に連れ出してやってほしいんだ。

ゲーセンで遊べるのが唯一の正解だとは思わない。でも、なんとなく、自宅の外で遊びたい、とは思うんだ。

たぶん、私は、バーチャロンに、何かを、熱いなにかを、託しているのだ。