「君に恋をしただけじゃ、何も変わらないはずだった」が期待通りだった。

期待していた、筏田かつら「君に恋をしただけじゃ、何も変わらないはずだった」が期待通りだった。こういうのはとてもうれしい。うれしいので駄文を書く。

あらすじは、前作でお邪魔モノというか「ライバルが出てきて自分の気持ちに気づくって結構ベタだけどね」(ゆうべはお楽しみでしたね)のような登場人物だった、磯貝久美子がヒロインのラブコメ。舞台は広島。お前にそんなにリセット願望があったのか。

期待通りというのは、前作同様ラストシーンで「なにやってんだよ! てめー! 走れよ!」と主人公の柏原くんにいらだったこと。

ブコメって、神の視点で読むんですよね。答えがわかってるから、登場人物たちの関係性を見ていらだてる。登場人物からしてみれば、結果なんて知らないから、結果を知りたいから、知りたくないからなんてのが物語なわけですし。「からかい上手の高木さん」だって第1話で答えが出てるから、楽しめるわけで。いや、お前勝ち確定だから、さっさといけよ! とやきもきできるのが楽しいわけですよ、ラブコメ

今回は期待しているゴールはあるんだけれど、登場人物たちの関係がそれを許さない。えー。これって破滅しかないじゃんと思ったら、最後にはぱちんぱちんとそれぞれが収まる。その安心感。舞台が広島だったので、血で血を洗う構想の可能性すらあったわけですし。いろいろ途中は怖いんですけど、最後のまとめ方が明るくって、読後感が心地いいんですよ、ほんと。

で、その精一杯かっこつけたかった最終章のその次のエピローグが、やっぱり女の子ってずるいなー、とつくづく思ったわけです。やっぱりですよ、やっぱり。あと、自分の中で途中から柏原くんが完全にラーメンズ片桐だったので、最後の最後で裏切られた感じでした。お前、モテる奴やんけ。裏切り者め。口絵のキャラクター表なんて完全に忘れとったわ。いや、お前、絶対モテる奴やんけ。あと、細かいところでは「お好み焼き」と書かれていたことでしょうか。ここ大切です。

あとがきを読むと、もうひとりぶん外伝が出る予感ですので、これまた期待。