読もう! 「ケッペキゲーマー」!
「ケッペキゲーマー」1巻がでたよ!
とにかく、試し読みの第1話だけでも読んでほしい。
主人公は強迫性潔癖症から引きこもりとなり、5年が過ぎた元少年、黒田公正。しかし、彼は現状を由とせず、いろいろと社会復帰しようと尽力している。のだけれど、それが成功しないと、自責に埋もれて、ますます取り返しがつかなくなる生活を繰り返していた。そこにカウンセラーの足立が現れて、ひとこと。
「ゲームでもする?」
ここから、また突然にプロゲーマーの世界を目指してしまう黒田くんの物語だ。突拍子もない。そして、この一言が果てしなく重い。
しかし、黒田くんのゲームに対する姿勢は潔癖だ。「一生トレモやってろ」と言われて、実際に行動するプレイヤーがどれだけいるだろうか。正確な入力、なんて、格ゲーのハイパー基本項目を身に着けているプレイヤーはどれほどだろうか。
まずは正確な入力。ゲームの中で自由に動けるように。
次に相手プレイヤーを正確に見る。これはトレモじゃできない。相手プレイヤーの動作を高解像度で理解する。
相手情報を入力に、正確に短時間で操作する。正確な入力から正確な出力まで。
まだまだ始まったばかりだ。残念ながら、ネット対戦は勝ったら次の強い相手と、無限に相手が出てくる。はたして、どこまで行けるのだろうか。
一読、東野司「ミルキーピア物語」、川原礫「ソードアートオンライン・マザーズロザリオ」、重松成美「ブレードガール」を思い出した。
「ミルキーピア」は紹介ページがなかった。残念。探して読んでほしい。
つまりは、ネットは、ゲームは自由だって話。
その自由さってのは、暴力的な平等さと言い換えられて、プレイヤーは誰も特別扱いされない。ただ、残念ながら現実の個人の性能はある程度、いや、相当ゲームに反映されてしまうけれども、前提は、全プレイヤーはゲームメーカーの意思の下、特別扱いはいっさいされない。
試し読み第1話の最後のコマのト書きに感情がえぐられる。これは終わった物語なのだ。
あと、感想の第一としては、素人だから言っちゃうけど、小学館の売り方が下手すぎへんか。雑誌掲載なし、Web掲載のみ、無料なしで、単話売りってあんた。
売り方が下手すぎて気の毒なので、単行本ならまだ読みやすいのでオススメです。強力に。