ナムコの時代があった。

「オールアバウトナムコ」が復刊された。

 

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当時買った人が買ったり、当時買えなかった少年少女たちが買うのだろう。何を隠そう私だ。

かつて、まだゲームの系統樹が命のスープのようであり、今から見れば、あらゆるジャンルが「ゲーム」としてひとまとめだった時代があった。ゲームはゲームセンターにしかなく、ゲームセンターにあるものはすべてゲームだった時代だ。その中でナムコのゲームは、確固たる1ジャンルだった。当時はセガは「すごいコンピュータを出す」、カプコンは「めちゃくちゃむつかしいアクションを出す」、コナミは「むちゃくちゃむつかしいシューティングを出す」、ジャレコは「ゲームメーカーのアオシマ模型」と個性を感じていたが、ナムコは「ナムコのゲームを出す」と別格に輝いて見えた。

いったんナムコの新作ゲームであれば面白いと期待と信用できた。「ゼビウス」は背景が黒、宇宙じゃない、森と水のある地球が舞台で、めちゃくちゃかっこいいマシンを操縦できるだけで面白かった。「ニューラリーX」は緊張感が楽しかったし、「マッピー」はかわいいだけで面白かったし、「ディグダグ」は音が愉快だった。「ギャラガ」はパワーアップが爽快だったし、「フォゾン」は意味不明だったし、とりわけ「リブルラブル」は脳が焼き切れるくらいとびっきりに面白かった。人生で一番好きなゲームは「リブルラブル」。スイッチで遊べるのを待っています。

当時は攻略法がまだまだ人づてで伝播していた時代だ。ナムコは「ポールポジション」「ディグダグ」「ドルアーガの塔」の簡単な攻略本をゲーセンで配布していた。たしかドルアーガは10階までだったかな。そして、新作情報はNGを見た。NGは配布日がふらふらしているからもらいに行くのが大変だった。思い返せばNG入荷情報すら人づてで知ったような気がする。

そんな攻略情報がまとまった本が「オールアバウトナムコ」だった。攻略情報、ドット絵、音楽などのゲーム知識、移植情報。ナムコの情報だらけだ。「イシターの復活」はこの本がなかったら手を出さなかったと思う。出して痛い目にあい、結局クリアはナムコミュージアムまで待たないとならなかったけど(68版もクリアできなかった)。

そんな在りし日の思い出を詰め込んで、いままた読み返せる。もう遊べないゲームの情報ばかりだから、クーソーするしかないけれど。それでも、あの日買えなかった、あの本を今こそ買うのだ。この調子でナム語辞典、NG(ノワーズ)、ザ・ナムコ・グラフティーなどなど復刊してほしい。

金ならある。