20年ものの廃墟 「ベイグラントストーリー」をクリアした。
20年越しに「ベイグラントストーリー」をクリアした。
発売当時は90分くらいでぶん投げてしまったのを、いま、やっとクリアしたんだ。メモカをみたら当時のセーブデータがあったのだけれど、もうストーリーを全然おぼえてなかったので、最初からやり直し。もとのセーブデータに上書きして進めた。さらば。
発売当時のファミ通の紹介の、BGMが敵側のそれではなく主人公側につけられているとの一文が印象的だった。ボス戦では処刑用BGMが流れる。ラスボスは除く。
ゲームの舞台がずっとずっと廃墟。そしてなにより「メタルギアソリッド」と同じくローポリの教科書のようなグラフィックがとにかくきれい。ローポリいうても、今でいうローポリとはけた違いのローポリ。テレビアニメ「SHIROBAKO」でミグ21のローポリが1万ポリゴンでしたからな。こいつはキャラクターは300ポリゴンだ。テクスチャは32*32だぞ。
とりわけラストの大聖堂からエンディングまでの光源を考慮したグラフィックが圧巻だった。払暁の赤い日差しを受けてのラストステージの連続ボス戦。廃墟の隙間からさしこむ出だしの朝日。物語が進みラストシーン夜明け直前が最も暗くなり、天候は雨。舞台のかっこつけがたまらない。最後はやっぱり人間同士の肉弾戦だよな!
そしてエンディング。ムービーの最後のカットのカメラワークがもうめちゃくちゃかっこいい。くっはー! って感じ。やりきったぞー! クッソかっこよかった! 面白い!
なんだけど。
やってたら20年前に投げた理由を思い出したし、今回も何度も投げては、もっかいだけな! もっかい! と思い直してチャレンジを繰り返し繰り返し。1回目を終わらせるのに50時間くらいかかったよ。終盤20時間くらいはアイテムドロップ狩りとウェポン作成にかかったんだけど。
当時投げた理由は、第1に攻撃の属性が重要すぎるから。相手の弱点属性でないと攻撃はあたってもゼロダメージ。お前はこの世界で最弱なのだ、と叩き込まれる。
第2にコンボタイミングのシビアさ。攻撃ヒット時にタイミングよく攻撃ボタンを押すとコンボになるんだけど、次第にこちらの攻撃力が下がっていき、相手の攻撃力が上がっていく。コンボで1ターンキルを決めないと、相手の攻撃1撃で倒されるなんてしょっちゅうだった。当時から音ゲーと揶揄されてたけど、ほんとそれ。
とにかく属性。相手の情報を見て、手元に対応する武器を常に用意しておく。武器変更はその場ですぐにできるので、プレイ中はしょっちゅう武器と防具、スキル、バフ、アイテムを組み替えて、組み立てて、なんとか1ターンキルを目指す。とりわ序盤のボス戦は相手に攻撃させず1ターンキルを決めないとまず倒される。倒されるとゲームオーバー。セーブ個所からやり直し。うっわ、そりゃ心折れるわ。
敵に合わせての行動を発見して、音ゲーよろしくコンボを叩き込む。しかも、時代がかわって、現在は液晶テレビにアナログ表示なので、たぶん発売当時よりコンボ成立がむつかしくなってるような気がする。ゲームはたぶん30FPSで、コンボ成立がおそらく12フレームくらい。体感0.5秒はない。で、液晶テレビだと6フレは遅延するから(偏見)ガイドゲージ表示されてから反応したのでは無理。んがしかし、ヒット音は遅延しないからそれを基準にコンボを成立させざるを得ないから、ほんとに音ゲーになってしまったぞ。
しっかも、武器によってコンボタイミングが違うっていうね。そのうえコンボ数によってもタイミングが変わってくる。当時「マジかよクソゲー売ってくる」ってなるわな、そりゃ。
このゲームの不幸はファミ通クロスレビューで40点満点をとってしまったからだろうなぁ。強くてニューゲームの周回プレーは楽しいし、アイテムクリエイト、パズル要素、なによりグラフィックのきれいさ! ぜひPS2のテクスチャ補完モードであそんでほしい。なめらか。発売当時のCRTとちがって、今だと結構テクスチャの色使いが明るいので、補完モードオフでも当時とは異なる斬新なグラフィックが楽しめる。グラフィック命の「ファイルナファンタジー」は静止画+ポリゴンモデルに行ってしまったけど、「ベイグラント」のようにフルポリゴンで作ってほしかったなー。PS2からはそうなんだけどさ。
やっとおわったので、2週目をあそびつつ、当時積んだ「ファイナルファンタジー12」を再開します。これもセーブデータはあったね。最高。当時の私。
ゲームは投げるものです。
ではまた。