「ヒーラーガール」かんそうぶん

「ヒーラーガール」が終わった。徹底した日常系の中に、歌を取り込んだ、ミュージカルのアニメだった。毎週見ると癒される感覚が、とても楽しかった。まさに見る薬でした。なにより、1話からオープニング、エンディングが揃っているのは、すごいことですよ。すごい!

 

healer-girl.jp

 

第3話冒頭の掃除をしながら歌うシーン、第5話での岩山に向かうシーン、第10話の買い物シーンなど、日常と歌とを合わせているのが楽しかった。医療行為として真剣に歌っているのとは別に、ただただ楽しそうに歌っているシーンもあって、その楽しさが印象的でした。たぶん、見る薬の部分ってここ。

物語は最後にむかって静かに進んでいって、最後にサメ。サメかー。歌から受けるイメージは自由なのも、楽しさのひとつ。その最後に、3人が師匠と同じた経験をして終わるのは胸にグッときましたな。同席した医者の一言もヒーラーへの敬意が感じられて、世界にヒーラーがいるのだな、と感じられました。

日常系、なんだけど「ヒーラーのいる日常」の日常系。生活に歌がある世界なんだな、と、ミュージカルアニメ、と思って身構えなくてよかったのが、とりわけ新鮮でした。

 

なんというか、3Hzに期待するアクションシーンってこういうのだよなー、と思うんよ。オープニングでいうと、ソニアとしのぶが走る(?)カットで、動きの速度が全然違うふたりが並んでるのが面白かったり。ソニアが頑張って走っているのに、全然速くないの。しのぶは飛んでるみたいなので、そこはズル。とにかく、絵と音があってるだけで、見てて楽しくなるなぁ。

 

素人ながら。

主人公たちが「なびき」のある服を着ているので、彼女たちの動きにあわせて、その服が動いているのに気づくと、1回見て、あそこのなびききれいだったなー、とそこだけ見返したりしてました。井上俊之さよならの朝に約束の花をかざろう」原画集の足にまとわりつくスカートの動きを思い出しました。体が先で、服が後。でも動きは服のほうが大きいとか。丁寧さが楽しめました。

原画ひとり回があったりして、こういう制作側の挑戦とか中の人の話を読めたりしないもんですかね。歌唱担当のヒーラーガール、役者さんのインタビューはけっこう目にしたんですが。

 

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記憶に残ったシーンがいくつかあるので、これから先に、辛いときとかに見返すアニメが増えたのがなによりうれしいことです。すなわち見る薬。

映画「ハケンアニメ!」かんそうぶん。

映画「ハケンアニメ!」を見たよ! めちゃくちゃ面白かったし、原作信者も救われるここちよい映画でした。

 

haken-anime.jp

 

舞台はアニメ業界。

過去に一発当てて、次は途中で降板した伝説の監督と、その監督を目指してアニメ業界に転職してきて、ついに初監督とおもったら、その監督の復帰作の裏番組(どっちが裏で、表なのかも大問題)にあたった監督の七転八倒の日々。

 

最終的に嫌な人がいなくなる、見終わるとすーっとする映画でした。アニメ業界が舞台なのですが、物語はとてもわかりやすく、それはとにかく時代に沿ったわかりやすさと、時代に依存しないわかりやすさとがあったからでしょう。

アニメ、とあらかじめ距離をとってから見始めた人でも、大丈夫。私はこのわかりやすさは大好きです。

 

あと、奇麗な評価としてはこれ以上はなかなかないでしょう。確かに代表作と言える映画でした。

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原作が大好きです。原作は三部作と言ってよく、今回の映画化された、逃げた監督の話、新人監督の話。それに続いて、地方で勤めるアニメーターの話があります。この第三部が1冊の半分くらいのページ数。原作の感想としては、この第3部の地方で暮らす、監督のような栄光がない、それでも「アニメ制作」の本体であるアニメーターの話が、メインだと思うのです。作中作である新作アニメに合わせて聖地巡礼の企画を立てる自治体の公務員と、そのアニメーターのじりじりとした恋の話が、読んでいると優しい気持ちにさせてくれます。

映画では、ここを切り捨ててるのではなく、どうしようもなかった、と思えるようなちりばめ方をされています。

わかる、わかるんだよ、ここをメインに持ってくるわけにはいかんよな~。映画では、冒頭で無理やり雑誌表紙原画を書かされたり、聖地巡礼のスタンプラリー企画の設置場所をふたりでまわったりとか。原作にあるエピソードがちょっとづつさしこまれてます。多分、これ、映画だけ見た人だと、本筋じゃないと思って不思議に感じるんじゃないかな、と思えるくらい、ちょっとづつさしこまれる。

連載雑誌の「anan」読者想定(?)だと、この第3部の物語が、身近に感じられて、本編なんだと勘繰るんですが、どうでしょうか。あと、最後の話だけに、アベンジャーズみたいに、これまでの仲間たちが助けに来てくれたりと。これは続編の「レジェンドアニメ!」と合わせて読むと、一層胸が熱くなります。

 

以下ぼんやりとしたネタバレを含みます。

映画のラストシーン。

吉岡里帆演じる斎藤瞳が自宅を片付けている場面。「サウンドバック」と書かれた段ボール箱があふれる中、「バタフライ」と書かれた箱が見えます。これは原作では重要な作品なのですが、映画中では出てこない名称なんですよ。ラストシーンで、やわらかい気分のところに、これが来るので原作信者としては、涙が止まりませんでした。

わかっていてこうなった。

制作者からのそういうメッセージだと都合よく解釈しておきます。

 

 

当時。

出版記念サイン会で掲載誌の毎回のページを切り取ったスクラップブックを見せるほどの熱意はなかったけれど、似合いもせず毎回毎回「anan」を読んでいたモノとして、この映画は時間を経ただけ、心の中のややこしい位置に置いてしまったのを、手の届く位置に置きなおしてくれるような、透き通った物語に作り替えてくれた、もうひとつの「ハケンアニメ!」として、十二分に楽しめました。また、終映早そう、と初日に見に行った自分の料簡を反省します。でも、雑誌掲載時の挿絵集は出版してほしいです。なんで今ださんかね。

五月の「百木田家の古書暮らし」はシン・ウルトラマン

「百木田家の古書暮らし」ですが、今月も2話読めました。よかったよかった。

第10話、11話は特撮回でした。10話の扉からして。そしてなにより1話からの伏線がついに火を噴く回なのだ! そして急に早口になるオタク!

つづく11話で特撮回は決着を見る。天晴れ! 

 

この2話なんですが、それぞれで読んで面白いのですが、通して読み返すと、ほんとめちゃくちゃ面白いです。テーマは愛です。そして、その中で並行していくつもの物語進んでゆくわけですが。それは本筋ともゆう。

 

そして急に見つかるのである。

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鮫が空を飛ぶだなんて今ならあるあるに感じる「飛翔鮫」

「飛翔鮫」が出たよ! 買え!

 

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「飛翔鮫」。今プレイすると、記憶よりむつかしく感じる。弾幕シューに比べるとはるかに少ない弾数なのに、なぜミスをするのかと考える。まず敵弾の速度が非人道的だな。とはいえ彩京弾ほどではない。

 

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スーパーイージーはさくっとノーミス(ノーボムとは言っていない)でクリア。楽しい。ボムを取るとバキバキ敵弾スピードが上がるのウケる。スーパーイージーでもちゃんとパターン組み立てが必要な作りがエムツーらしい。スーパーイージーは作っても、無敵モードは絶対に作らない。ちなみにカプコンは無敵モードを100円で売ってます。巻き戻しがあるので無敵は……。いや、「バース」にはほしいかな……。「ギガウィング2」はまだですかね。

 

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思い返すに、難易度で記憶に残っているのではなく、当時はビデオゲームが新しい遊びで、それよりなにより100円で最新のコンピュータを操作できるのが楽しかった。ファミコンは楽しいのだけれど、ゲーセンに比べるとやっぱりグラフィックは残念で、ゲーセンから移植されると、稀にゲーム性が変わってより楽しくなったりもしたけどさ~。「タイガーヘリ」で、もう結構ファミコンではいっぱいいっぱいだったしなぁ。その前の「ジャイロダイン」はファミコンでも結構楽しかった。結局のところ、ファミコンは比べられないようにRPGに特化していってしまうのであった。

 

それはともかく「飛翔鮫」は今でも楽しく、当時と同じく下手なままで、スーパーイージーに接待していただいて満足して遊べる。1周5面で終わるのもちょうどいいんすよ。もう1周が長いゲームは集中力が続かないこちらの事情。「究極タイガー」でもう長すぎた。「鮫!鮫!鮫!」も今回は1周できたけど、めちゃくちゃ長く感じた。「ドラゴンスピリット」が好きなんだけど、あんまりプレイしないのは長いからなんですよね~(誰向け情報なんだ)。

「飛翔鮫」のアーケードをプレイして、腹が立ったらスーパーイージーに癒されて、移植バージョンを遊んだり、併録の「ワードナの森」をちょっとやってみてふたたび怒りゲージをため込んだり。無敵モードいるじゃん。「ワードナ」巻き戻しほしい……。そうそう「ワードナの森」を遊ぶと「地獄めぐり」を遊びたくなりませんかね? 私はなりますが。

 

あと、エムツーのショットリシリーズは毎回毎回教えられるばかりです。パターンとか、プレイ方針とか。当時はそこまでゲームを理解できなかったなぁ。画面端に追い込まれてミスなら端に行かない、敵に近づくと弾を封じられるとか、まったく考えもしなかったです。弾幕シューと違って、ここには嘘避けはないのだ。「飛翔鮫」だったっけか、アタリ判定が自機グラフィック+1ドットのくっそ広いのって。どうだろう。ミスの原因第一が自機の移動の遅さです。弾幕シューは自機速度が速いんだな。

 

次回作には「ダッシュ野郎」が収録されるのを楽しみにして結びといたします。

冬目景「百木田家の古書暮らし」1巻がでたよ

冬目景「百木田家の古書暮らし」第1巻が発売されました。連載開始からこれまで休載は単行本作業のための1回だけ!

 

www.s-manga.net

 

内容は……すでに単行本がみなさまの手元にありますので、そちらに譲ります。なんと今回は応募者全員にあたるプレゼント企画が! 掲載誌表紙も飾り、巻頭カラー、センターカラーとカラーページも多数掲載されましたからなー。

とにかく、この本は顔がいいんですよ。

カバーの紙がよい。名前を知らないのが悔やまれる。PP紙ではなく、わずかにおうとつの手触りのある紙です。光沢紙でもないため、明るい場所で見てもカバーイラストがしっかり読めます。カバー袖には、蔵書印と書店票がデザインされているのも見逃せません。本体の表紙も独特の赤。そこにタイトルのみのデザイン。カバー下もかっこいい。目次も袖に。なので見返しなしで、表紙の次が総扉となるんですよ、もう本文。装丁かっこよすぎませんか。装丁担当はまるか工房。一切情報なし! 「新しいコミックスのデザイン」での取材が期待されます。1点、どうしようもないのが裏表紙のバーコード。こればっかりは講談社コミックスでもないとどうしようもないですね。シュリンクにバーコードをつけている講談社はえらい。記憶では、このバーコードが最初につけられた本が二階堂黎人「地獄の奇術師」だったはず。この本の裏表紙はバーコード部分を考慮した装丁画になっています。

 

と、ビブリオフィリアっぽい喜びを満たせる書籍ですので、ぜひお手元に。内容はもちろん折り紙つきです。

「ワルキューレの伝説」の伝説

アケアカで遂に「ワルキューレの伝説」が発売されました。配信?

 

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サムネの画像が最高。さっそく購入して、音楽を楽しみにながら遊んでます。

 

当時は、ついに、やっと、金髪のワルキューレのゲームが発売されたと喜んだ記憶があります。相当遠いゲームセンターのコンソレット26でプレイしてました。せっかくならあたらしい筐体で遊びたかったからですね。コンソレットならヘッドホン端子がありますし。

ワルキューレの伝説」といえば、PCM音源でしょう。PCM音源の力と魅力をこれでもか! といきなり見せつけてきたゲームでした。音楽聞きたさにプレイして、なるべく聞きたいからコンティニューしてたような気がします。

 

あと、スプライトの回転拡大縮小が好きなので、タイトル画面から「namco」のロゴが遠くから回転しながら大きくなってくる「おお、いかにもシステムIIっぽい、無駄な使い方だ!」感じがとても好きです。ゲーム中でも「巨大化の魔法」で表示が大きくなったり、4面ではそれに弾き飛ばされて移動するシーンでステージ全景が見えたりと、全編拡大縮小バッキバキでそれを見るのも楽しみでした。

サウンドトラックCDがけっこう早めに発売され、価格も1500円だったのも記憶に残っています。これでずっと聞ける! すごい! 地下のテーマ大好き! とゲーセンに行けないときは音楽を聴いていました。そして、このあと1500円CDはシリーズ化されてゆくのでした。

 

のちには当然のように基板を買いました。システムIIのステレオ出力用コネクタがシステムIと異なって、エッジコネクタ用のハーネスを用意しないとコンソレットがシステム出力にならなかったんですよね。私が基板を買ったときはまだこのエッジコネクタを買えたので、自作してステレオ化できました。なぜにシステム87のように基板にコネクタをつけなかったんでしょうかね。ハード設計の情報はほとんど出てこないので、謎です。

 

システムIIについては以下を参照。みんなで勉強しよう。

www.youtube.com

 

システムIIはこれが初、かと思い返したら「未来忍者」が先行でした。「スーパーリアル麻雀PIII」とからめていじられがち「未来忍者」(特定の層)。Switchで出てますね「スーパーリアル麻雀」。

 

次回は「ギャプラス」。めちゃくちゃむつかしくって、ナムコミュージアムが発売されるまで、まったくやりこまなかったなぁ。

3月の「百木田家の古書暮らし」かんそうぶん。

3月も「百木田家の古書暮らし」が読めたぞー。しかも、4月には第1巻がでるぞー。すごいなぁ。速いと心配になるのが訓練された冬目ファンです。

物語の展開は三者三様。最後は自宅のお茶の間で過ごして、ゆっくりとした雰囲気を作っていますが、三姉妹それぞれの物語は隠されたままでした。いやさ、そうでもないんだけど。

今回の驚きは、ラストでの土神建築事務所、とのセリフです。「マホロミ」じゃん! 土神くんは登場するのでしょうか。

そして、次回は表紙と巻頭カラーですよ。カラー多いですね。単行本殺しです。

 

www.shueisha.co.jp