竹葉久美子「このなかに石油王がいます」かんそうぶん

待ちに待った、竹葉久美子の新刊「このなかに石油王がいます」が発売されました。生きててよかった。

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いやもうほんと、このカバーイラストの悪い顔。そうそう、これこれ。これなのだよ。この味が好きなんだよ。カバーイラストだけでもう生きてるって感じ。すごい。総扉のイラストなんだけど、デザインの大勝利。そして裏表紙の万券が舞う中になぜかチケットが。表と裏では大違い。ひゃひゃひゃ。

つまりは、イケメンは3次元にいないが、石油王は三次元に必要なのだ!

という、どうしようもないクズが主人公のロマンティックコメディ(腰帯ママ)。嘘をつくな嘘を。

冒頭の派遣登録から、リボ払い、全通、SNS、トレブロに推しが出ないから何から何まで、端から端まで、とにかくいろんなものの力を借りてなんとか生きていくのだけれど、主人公は職場にいるらしい石油王をみつけださなければならない。こんな毎日から抜け出すために! って最高に最低で、冒頭どころかタイトルからめちゃくちゃ面白いんですよ、これ。

そして、適当に就いた仕事なのになんとなく意欲がわいてくるところまでが1巻でした。

読み終わった第一感は、とにかく読めてよかった、帰ってきてくれてうれしい、でした。推しの作家が読めるのは書いている間だけだ! だから推すのだ!