今月も「銛ガール」は面白かったねというはなし

毎月電撃大王でうきうき読んでいるのが「銛ガール」。だ。である。

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内容について紹介すると、同じく電撃系の電撃マオウで連載されている「罠ガール」と近しい系譜である。

テーマは魚突き。これはアウトドアレジャーなので「ゆるキャン△」にも近い。あちらは山でこれは海が舞台。バイクもあるし、キャンプもあるし、料理もある。いろいろ満載だ。

しかし、扱っているのは魚突き、露骨に命のやり取りである。そしてアウトドアとは、そのとおり、自然に身を置くために必ず軽かろうと重かろうと命がけである。その意味合いでは「ゴールデンカムイ」の雰囲気だ。ゆるゴールデンカムイ。殺して食べる。ヒンナヒンナ。

意地汚く頭のいい魚との知力戦としては「VS魚紳さん」の醍醐味もある。漁の手触り、魚との命のやり取りは釣りよりもより直接的だ。銛で刺して殺すため絵面としては完全に「ヴィンランド・サガ」である。ゆるヴィンランド・サガ。なんだそれ。確実に殺す。

登場人物たちは、獲物を調理して「いただきます」と食べた後は、骨を海に返す。最後の最後まで礼儀正しいアウトドアだ。

主人公は夏子。小さくおとなしい女の子。んが、週末は銛を片手に海に潜る。狩人である。この落差がおもしろい。

演出を抑えて海を、自然を描いているのは、敬意からだろうか。それとも海の中は音がせず静かだからだろうか。今月号はふたりの銛ガールが漁獲量で勝負する回だったのだけれど、最終的に夏子はそれに対してひとつの答えを出すのだけれど、まぁ、これがかっこいい。あこがれるくらいにかっこいい。調理の手順でばりばりウロコを取ったり、食事では目玉をたべたりと嘘がないところも面白くかっこいい。「よつばと!」で岩魚を塩焼きにする回で殺すことに結構もめたのだけれど、そこらへんはすでにとおりすぎてて、主人公はしっかり〆る。仕留めたらすぐに内臓を取り除いて〆るのだ。

遊びで殺していいんだろうか。

今回の印象的なセリフだった。

なんつーか、ちゃんとしてるまんがだと思う。自然に対して最後の一点で嘘がない。この辺の嘘の話は単行本の特別編を読むと判る。演出と嘘との違いといえばいいのかなあ。

なんて。オススメです。気楽に読めばよい。