今年のラミーは2年に一度のでき

冬季限定のお酒のチョコレートがある。ご存知だろうか。

ラミーとバッカスだ。冬季限定とうたってはいるが、9月くらいから販売されている。10月になるとストロベリーが加わり、1月くらいからリンゴのお酒のカルバドスを使ったチョコレートも加わる。今年の公式サイトにはカルバドスはまだない。1月? そんな先のことはわからない。

昨年はバッカスの当たり年だった。今年はラミーのできがよい。ねっとりとしたラム酒の舌触りがチョコレートと分離しておらず、忍び込むように香りと味を差し込んでくる。昨年は砂のようなざらつきを感じさせたラミーであったが、今年のできはすばらしいの一言に尽きる。本来、ラム酒は甘い酒である。それをチョコレートに使おうとすると、どうしても甘み同士が戦ってしまう。昨年はそれを制御できているとは言いがたかったが、私の予想を裏切り、今年のラミーは時期はじめの一口から、その違いをはっきりと身にまとって現れた。

なんという驚きだろうか。期待していなかったわが身を恥じた。ショコラティエ側でも、昨年の不出来を囲ったままだったのだろう、と思わせる味だった。1年がすぎ、帰ってきたラミーは捲土重来を期し、また、ショコラティエの自信を感じさせるオーラすら身にまとっているかのように見えた。よく見れば銀紙だったが。

ラミーのうまさとは、肉厚のチョコレートとそのうちに秘めたラム酒とが、しっかりと支えあう、味の交差、共鳴、協奏がその実である。前述のように昨年はお互いが相手より前に出よう、出ようとして、結果として共倒れとなってしまったのだ。

今年のラミーは昨年の印象を払拭して余りある、華々しい復活劇だ。ただ帰ってきただけではない。そのうちに不出来を自覚した恥を雪ぐ気概を秘めた気高い雰囲気をまとった一品だ。やはり、よく見れば銀紙だったが。

今年のラミーはおいしい。私がオススメする一品だ。