古代祐三×ハーベストトークショーでパソコンサンデー感。

それらの音も、光も、少年の思い出とともに、地球上のすべての大気に飛散し、拡散し、消散して、今はもうない。

 「今はもうない」 森博嗣講談社文庫)

 

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8/5は「古代祐三×ハーベスト トークショー」に参加できました。なんともよかった。日曜の神保町は人が居ない。そして夏の日差しに白くなる町並み。その風景は「匣の中の失楽」を思い出す。そんな中でのトークショーでした。アツい。

そんなイベントは3部構成。

1部 古代祐三×ハーベスト トークショー

2部 FM音源ドライバーズサミット 番外編

3部 古代祐三四方山話+α

会場入り口に、まじゃべんちゃーのねぎマージャン牌他ハーベスト会報などなどの展示。さらっと開発機88マークIISRが展示されてました。あー、古い88ってこの色になるよなー。なんでだろ。いや、それにしても「世界樹の迷宮」でも11年前ですよ。時間があっという間にすぎる。

 

第1部!

ああ、やっぱり東京ってすげぇなぁ。とつくづく思いました。友達の友達がめっちゃマイコンにくわしい、とかで辿っていって、集まっていく過程はまさに東京の人口密度。田舎だったので、そういうのなかったなぁ。ナイコン族でしたし、そんな近くに電気屋もなかったし。思い返せばベーマガのコードを読んで楽しむ不思議な時代。

友達に借りた88を返すからSRを買いに行ったとか、数件廻ってSRは1台しかなかったとか。田舎じゃありえないなぁ。88借りるってすげぇ。

新宿のキャロットとか、当時のゲームセンターの話がとてつもなく面白かったです。ナポリタンを食べてからドルアーガとか。ミライヤの話を聞きたかった(しつこい)。

 

第2部!

秘密のゲスト、メガテン細江さん登場してのドライバーズサミット。ドライバとはなんぞやは触れずにぶっこむスタイル。まぁ、だいじょぶでしょ。

古代さんがMUCOM88を開発した経緯が「みんな作ってるので、作ってみたらできた」が衝撃的でした。ドライバってそんな簡単にできるの?! 途中にMUCOM88のFM音源音色エディタの紹介も。各オペレータの波形が見ながらエディットできる優れたエディタでした。オペレータのパラメータとアルゴリズムで最終出力の想像ってつくのかな、つくのか。トーク中にも触れられてましたが、エミュレータでFM音源を鳴らすとなんだか違うように感じるのって、チップだけじゃなくて、アンプ、ADコンバータから出力までを含めて楽器なんだな、と思った次第。

古代さんが「音色は120番までは鉄板で、それ以降はゲームごとに自由」とのことで、この120番までの音色が作家性なのでしょう。ドライバこみで。

私はMNDRVが好きです(唐突)。

 

第3部!

セミの話。四方山がすぎる。そのあとはスパIIXで対戦。トークショーとは。

ゲームをもっと遊ぼう。ジョイスティックを握ろう。格ゲーたのしいよ!

 

という、イベントでした。

なんというか。

昔々。ベーマガテクノポリスコンプティーク、ログイン、ざべ、Oh!Xとかいろいろ。いろんな人たちを遠く遠く見ていた昔々。今はこうしてトークショーに参加できたりする。昔の自分にそう伝えたい。

イベント終了後に。

2009年のファミ詣のラスト。ブルボン小林さんが「昨年、三辻さんがなくなった。ゲームについて語って残していかないとならないし、僕たちはまだまだゲームについて語り足りない」と言われたのが印象的で、それを思い出しました。残そうとしないとゲームが消えるなんて思いもしなかった。ゲームを作った人たちがなにも残さず亡くなってしまうなんて考えもしなかった。「大東京トイボックス」#1のモモが「これは誰かがつくったんや」と気づくのだけれど、ゲームを作った人がいっぱいいっぱいいるんだと気づきもしなかった。

またのこういうイベントを楽しみに。