「りゅうおうのおしごと!」からの。

 「りゅうおうのおしごと!」第3巻。好きと覚悟だけで人はどこまで行けるのだろうか。最初は気楽な第一歩だったのだけれど、次第に、重みが増していく。一歩が重くなる。そして、それに気づかなくなる。そんな話だった。

好きな道じゃなければもっと楽だったのかもしれない。でも、好きじゃないと最初の一歩はなかっただろうし。今、自分の来た道を思い返してつくづく感じる。

たぶん、自分は褒めてほしいのだ、と。

タイトルに「おしごと!」とあるように、この物語は、仕事がでてくる。しかし、棋士の仕事とは何だろうか。登場人物はみな、楽しそうで、面白そうで、そしてなにより、辛そうだ。そのつらいことすら楽しめる、楽しめないとやっていけないと想像する。

そうしないと続かないのだ。仕事の第一はまず続けることだ。どれだけしなやかに続けられるか。この一点だともつくづく感じる。ましてや、棋士のように、選ばないと就けない職業ならなおさらだ。続けるためにできることはすべてする。それでもだめだったら、手法を変えて続ける。とにかく続ける。続けられるように自分を操縦し続けないとならない。

だから、ちょっとうれしいことがあると、それだけ覚えて、続けてしまうのだろう。

以下、連想でだらだらと。

先日、羽生名人(当時)が1-4で名人位を失った。佐藤新名人はB1、Aを一期で駆け抜け名人位を奪取した。B2は二期、C1は一期抜け。C2人大杉

74期名人戦7番勝負は第2局が印象的だったし、この勝利でずいぶん番勝負全体の印象が変わった。第1局は羽生勝利。王座戦の印象があった(それでも先に2勝した)のだけれど、この第2局は終盤で逆転した。続いての第3局はしっかりと勝利。ここで大内九段の名人戦の話を思い出したなぁ。

この15年間は森内と羽生の2名しか名人位をとらなかったのだけれど、その閉塞も打破。名人位獲得当日にツイートしたりと、それだけで新しく感じた。「将棋は斜陽産業」といったのは糸谷。その糸谷と因縁浅からぬ佐藤新名人の誕生だった。

囲碁は井山が七冠制覇。今年初めに室田女流と離婚したときは、なんのこっちゃ、と思ったものでしたが、やはり、なんとなく、違和感があったのかな、と。それとも、これで復縁しちゃうのかしらん。

とはいえ、あんまり話題にならんね。2回目の七冠(最初は将棋だけど)であること、AlphaGoの件があったりしたからか。七冠。一時期は張栩が達成しちゃいそうな勢いでしたが。張栩の捲土重来が楽しみだ。鉄壁保みたいな感じで。

と、今日は、棋聖戦で永瀬六段が羽生棋聖に勝利。千日手で指し直し。鬼か! 永瀬は羽生にやたら勝率が良いので、こちらでも新棋聖誕生に期待したいです。

勝ち続けてほしいのと、目もくらむ、息を吹き返すような新しさもうれしかったりするので、単なるファンとはむちゃくちゃですな。